現象+演者=不思議
過去にMr.マリックブームとも言われる❝超魔術❞という大きなブームがありました。
ちなみに当時の僕は、マリックさんは超能力者だと思っていました。(^^;)
テレビにはマリックさんを皮切りに、いろんな方が登場しました。
そんな中、マリックさんと同じ事が出来るという人が出てきました。
お客さんに4枚の500円玉を握ってもらって、演者が空のコップを持っていると、コップの中に1枚の500円玉が入ります。
お客さんが手を広げて見ると4枚あったはずなのに3枚しかありません。
この超魔術がですねぇ、マリックさんほど不思議に見えないんですよ。
やっている事は同じなのですが、不思議差が全く違いました。
僕の中で?マークがイッパイになりました。
同じ❝現象❞なのに同じじゃない…、なんで???
その時まで僕は、不思議な現象=不思議 だと思っていたのですが、演じる人でこんなに差が出るのかと痛感しました。
『現象=不思議』だと思っていましたが、実は『現象+演者=不思議』になるのだと思いました。
演者の持っているパーソナリティーによって、同じものでも見え方が変わってくる。
と言う事は、演者のパーソナリティーによって、=の後の不思議が❝面白い❞や❝楽しい❞や❝凄い❞等に変わるのではないか。
そうなってくると、自分が演じる側になると、自分のパーソナリティーを知っておく必要がある。
それに合わせた手品を演じる方が、より良い物になるのではないだろうか。
その考え方でいくと、演目が偏ってくる。
そうなると自分のパーソナリティーの幅を広げたら、もっといろんな物を演じる事が出来るのではないか。
…と、色々考えもしましたが、結局自分の事なんて分かりません。
実際にお客さんに演じてみて、その時のお客さんの雰囲気を感じ取りながらやっていくのが手っ取り早い様に思います。
お客さんの前で演じる事で、自分が見えて来たりします。
昔、僕はしっとりしたクラシックの音楽をかけて、それに合わせてカードマジックを演じてました。
しばらく普通に演じていたのですが、いつからかクスクスと笑い声聞こえる様になりました。
お客さんに話を聞くと、「凄く綺麗で不思議なんやけど、なんかおかしくって…」。
自分のパーソナリティーが変わってきたのかと思い、新たな方面を模索しだしました。
その辺りの話は、またの機会に。