器用に見えたら損?
マジシャンは器用に見えたら損という考え方があります。
手先が器用なら、色んな事が出来るだろうから、不思議な事が起きても不思議に見えないのではないか?という考え方です。
この考え方は、昔から言われており、その年代のマジシャンの間では、広く議論されたテーマです。
ほとんどのマジシャンの答えが ❝YES❞ と答えます。
ですが、僕の答えは ❝NO❞ です。
フラリッシュを見せた後、一番上のカードを見せて、そのカードを裏向きにしてテーブルに置いて、おまじないを掛けて表向けるとカードが変わってる手品を演じても、普通に驚きます。
フラリッシュをしないで同じ手品をした時も、同じく驚きます。
何度も試した結果です。
手先の器用さで出来る事ではないと判断するのでしょう。
❝お客さんが求めるもの❞(←リンクです) にも書きましたが、お客さんが不思議と感じるものが、マジシャンの思っている事と違う訳です。
ただ、メンタルマジックをやる人で、より超能力に見せたい人は、器用に見えない方が良いと思います。
「今日は超能力の実験に使うカードを持ってきました」と言って、ESPのデックを綺麗にスプレッドされても、何だか違和感を感じてしまいます。
昔、メンタルマジックをやっていたマジシャンが、スプレッドをワザと雑に広げているのを見た事があります。
僕の手品の理論は少し変わっています。
みんなが❝YES❞と思っている事でも、僕は❝NO❞だったりします。
いろいろ試した結果なので、仕方がないです。
綺麗な扱いはスッキリ見えますが、やりすぎると鼻につくので程ほどに…。
技法によっては少し雑な方が自然に見えるものもあるので。
僕は綺麗な扱いは❝光❞と同じだなぁ と思います。
光が強いと目がチカチカして嫌気が差します。
逆に光が弱いと見づらくなります。
程よい光加減がいいと思います。
最近の若い人たちは、綺麗な扱いをする人が多い様に思います。
光に慣れてるのかも知れませんね。
スマホの見過ぎではないでしょうか。