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理論は剣か盾か?とモヤモヤした話。

A「あのマジックのこの部分は理論に合ってないんじゃないか?」
B「○○はこんな理論を発表していて…」

何か理論で攻撃したのを理論で防御してって感じです。

 僕はあいも変わらず、手品の世界の事はよく知りませんが、理論的な事が流行ってるんでしょうか?

 理論的な事って、その人だから成り立ってたりする所もあったりするので、その人の理論のままやっても同じ位の反応が得れるかと言えばそうとも限りません。
それは何故かと言うと…

その人が細かく書いたところで、その人自身が自分では気付いてない事もあったりするからです。

 その人の雰囲気・声・喋り方・テンポやリズム等など、そういった物が合わさって成り立ってる所もあるので、同じ様に出来るとは限りません。

なので、

理論を剣にしてはイケナイし、盾にしてもイケナイ。
理論は御守りにするのが良いと思います。

まだスペースがあるので、何か書こうと思います。

それでいいのか?

 テーブルホップをしてた時に来た、マジックを習ってるお客さんの話を書いておきます。

 テーブルホップしてた時に来たお客さんで、四人の女の人でした。
そのうち三人は、ある有名なマジシャンにマジックを習ってる人でした。

 そのテーブルに入った時にサムチップの話になりました。
楽屋のカバンに入っていたので、手の中でハンカチが出たり消えたりする演技をやりました。
 手品をしていないお客さんは「凄い!不思議~!」と喜んで居たのですが、マジックを習ってるお客さんの三人は静かに見てました。
そのうちの1人が言いました。

「今、サムチップ見えてたよね」

 話を聞くと、そこで習ったのは、サムチップは一切見えてはイケナイと言う教えだった様です。
もちろん、手を広げて見せるのも無し。

 『だったら、サムチップで無くてもいいんじゃない?』と言う僕の心の声を押し殺して考えてたら、ある事を思い出しました。

 そのマジックを教えてる先生となる人とは、とあるコンベンションで一緒になった事がありました。
その時に来てたゲストがサルバノでした。

 そのレクチャーでサムチップの演技をやってたのですが、サムチップを見せないで演技をするというのをやってました。
昔はサムチップが無くて、あったとしても、とても見せれない物だったので、昔の手品師はサムチップを見せない様に演技をしてました。
今では普通に売ってるサムチップが出てきてからは、手を広げて見せる事が出来るようになりました。

 マジックを習ってる三人にそんな話をして、習ってないお客さんが凄く不思議に思ってるからそれが答えじゃないかと聞いてみたのですが、答えは変わらず「いいや。サムチップが見えたからダメだ」の一点張りでした。
何か洗脳されてる様に、教えてもらった価値観のままだったので、その後は普通に手品して帰って来ましたが、『それで良かったのか…?!』とか『手品に正解は無いと思ってるけど、その考え方は良いのか?!』等、自問自答してしまう出来事でした。

 



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紀良京佑
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