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違う空気を感じてルーティーンを変える。

 前回の最後に書いた所を書いて行きます。

 違う空気を感じてルーティーンを変えるポイント。

 最初の頃は、単に違う手品を演じてましたが違いました。

何故、違う空気を感じるか。

 それはお客さんが心から楽しんでない事があり、そこには理由が有りました。

 前回も書いた“思ってた手品と違う”に関しては、対策は違う系統の手品をやってみる事で、解決する事があります。

 ただ、前にどこかで書きましたが、演者が技術でやってる手品。
例えばカッティング・エーセス等は、そのデックの中に4枚のAをバラバラに入れて混ぜたのに、演者の技術で探し出していく系統の手品であり、“出来る可能性”のある手品である。
1枚のカードを見せて裏向きにしてテーブルに置き、指を鳴らすと違うカードに変わってる等は、技術では無理であり“出来る可能性”が無い手品になります。

この線引の感覚は非常に難しいです。

お客さんによってはこの様な見方をする人も居るので、自分の演じてる手品の客観的な分析をし、頭に入れておく必要があります。

 後、たまに居てるのが、“何故、そうなるのか分からないから楽しめない人”が人が居ます。

 コレもまたいくつかのパターンがあるので、一つの例だけ書いておきます。

それは、手品と言う不思議な現象がが、どうなって成り立っているのかが理解出来ない人です。
目の前で起きてる現象が、超能力なのか魔法なのかが分からないって感じです。
こういった人の大抵は、頭に“手品”という箱が有りません。なので、この見てる現象をどこの箱に入れたら良いのか分からなくなってる事が有ります。
こういった人が居てる時は、過去に書いた解説様の手品を演じて解説すると、手品と言うものがどういったモノかが分かり、その後の手品は楽しんで見てくれます。

 ルーティーンを決めずに入ると必要なのは、空気を見る力と、それに対してどう対応するかの知識と技術がいります。
なので、それに対応出来る手品を覚えておく必要があります。
その事が分かった時に、あまり興味が無かったセルフワーキングの手品を覚えました。
特に解説しても大丈夫そうな手品を探しました。

 大体演じてて脱線する時は、この様なパターンか、僕がふざけ過ぎて収集付かなくなる時かのどちらか多いです。(後のは自己責任)

 自分が演じてる手品の分類や分析、お客さんが何故、反応が薄くなるのかの理由を理解しておかないといけません。
それに対応する手品も持っておかないと行けません。
特にテーブルホップは、一度に見せるお客さんの数が少なく、そのお客さんも仲間内で来てる事が多いので、その空気は伝染しやすくなります。
そういった時に、演者の知識や技術や考え方で対応しないとイケなくなります。

 たまに演者で、「あのテーブルやりにくかったわぁ」とボヤいてたりしますが、何か対応の仕方があった様に思います。

 ここまで読んでくれた人は気が付いたかも知れませんね。

 僕が言ってる“知識”や“技術”は、手品に限った物では無い事を。

 手品の知識や技術も大切ですが、それをどの場面でどう活かすかを考える事も、同じ位に大切だと僕は思います。

 全ては手品を楽しんでもらう為。

マニアの為のマジックは、得意な人に任せれば良い。

自分にしか出来ない何かがあると信じてる。

そんな事を思いながら、僕は今も手品を創造し、考えてます。


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紀良京佑
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