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祝!初来日 ~Stella Cole ステラ・コール~ ノスタルジー溢れる新星JAZZボーカリスト

Stella Cole 1月24日(金)18:00開演 @COTTON CLUB

English article
https://medium.com/@yuta./stella-cole-in-japan-795e5b484b4e

真っ赤なドレスにウェーブのかかったロングヘアー、そして芯を感じる眼差し。ジュディー・ガーランドやローレン・バコールなど、白黒フィルムの中の登場人物を彷彿させるようなオーラで登場した女性。ステラ・コールだ。

彼女の初来日は2025年1月22日から25日の4日間の日程。
この日は二日目の公演で、登壇早々に満面の笑みで語ったのは「昨日はこれまでの中で最高のショーの一つだったの!日本の皆さんはほんとに暖かくて…。」といった、日本初公演をすでに楽しんでいるという話だった。
彼女のMCは日本語に訳した時「~なの!」という語尾で表現したくなるような、終始チャーミングな話しぶりだった。

マイケル・カナンのピアノとステラのヴォーカルのみのシンプルなステージは、包容力にあふれ、時空を超えた音楽の旅を楽しませてくれるような内容だった。
ロックやAORを中心に聞いてきた私はジャズについて勉強中のため、この日の曲のアレンジについてや演奏についての細かな感想を書くことはまだ避けたい。感じとり、記録できたことの一部をつづっていこうと思う。


会場のCOTTON CLUB 開演前


●「古いミュージカル映画が好きで….」


一曲目は「It could happen to you」。デビューアルバムには入っていない曲だが、そのエレガントな歌いぶりと、豊かな表情、温かさを感じる包容力ある歌声で一気に非日常に引き込まれた。

MCの中で『サウンド・オブ・ミュージック』『メリー・ポピンズ』などの古いアメリカのミュージカル映画が好きで、その中に出てくる曲を2歳のころから歌っていたと話したステラ。ジュディ・ガーランドやバーブラ・ストライサンドが好きだという。彼女のインスピレーションはそういうところからきているのかと納得した。ライブ中盤で「きょう集まった皆さんのように、こういうジャンルの音楽をこうやって楽しんでくれる人たちが世界の別の場所にいるなんて!私だけの趣向かと思っていたこともあったし。。」と話していた時の彼女はすごくうれしそうだった。スタンダードジャズに魅力を感じJazzを聴き始めた僕も同じようなことを思っていたのでなんだか嬉しかった。
(いまカフェでこれを書いているが、ちょうど「Autumn Leaves」が流れ始めた 笑)

その後はアルバムA面の一曲目「The Boy Next Door」のほか「I’m old fashioned」「You Go To My Head」などを披露。オーディエンスの拍手は曲毎に大きくなっていった。


デビューアルバム『Stella Cole』のLPと会場チラシ

・歌唱姿とは一転 チャーミングなMCに虜


時間の経過をあっという間に感じたが、その理由の一つが彼女のMCの上手さだ。長すぎず短すぎず、端的にまとまったしかも興味を引く話をそのチャーミングな笑顔全開で話す。歌唱中に作り出すエルビス・プレスリー以前の時代のような雰囲気から、MCになると現代に戻ってくるような感覚だった。
この日のMCで語られたのは、彼女は今年、Amazonミュージックの “Artist to Watch”いわゆる「今年の注目アーティスト」リストに選ばれたこと、そして、それに伴ってか、今年のバレンタインデーに彼女の広告がタイムズスクエアのどこかに表示されるそうだ。
「ショーの度にみんなに話してるんだけど!本当にうれしくて!私の広告がタイムズスクエアに映し出されるの!ヴァレンタインデーに!」ステラが興奮気味に話したMCは、日本語に訳すならこんな感じに聞こえた。
はじめはTikTokなどオンライン上で歌唱動画がバズったことで注目を浴びるようになった彼女。リアルの世界の一流街道を切り開き始めた喜びが語気とともに伝わってきた。


東京駅のすぐ近く COTTON CLUB

・ラーメンがお好き?後半もあっという間

また、日本のラーメンが大好きらしい。
「日本の皆さんにとってはそうでもないかもしれないけど、今回、日本で私たちにとって大事の一つがラーメンなの(笑)。NYでは40ドルくらい出さないと同じようなラーメンを食べられないし、いや、それでも同じようなクオリティのものに出会えるか。。。ラーメンについて話し出すとダメね!これくらいにしましょう(笑)」
こんな感じでラーメンの話が2~3度、MCの中で出てきた。

そしてステラは十数年前にも一度、日本を訪れたことがあるという。たしかホストファミリーと一緒にどこかを訪れた話をしていた。足利と言っていたか?留学でもしていたのだろうか?ちょっと気になった。
(私事だが、今回はスケジュール的に厳しかったものの、こういう細かいところを忘れてしまうからライブレポはすぐ書かなければと、そしてメモをしっかり取らなければと思う。。)

一方、ピアノのマイケル・カナンは10回以上の来日経験があるそうだ。
ステラは来日前「日本にパフォーマンスしに行くなんて信じられる?」と何度も言っていたという。「飛行機に乗ってからも信じられなかったくらいよ!」と話していた。

後半は「That Old feeling」「The Man That Got Away」などを歌い上げるなか、印象的だったのが「No Moon At All」。
「たくさんショーをやる中で、このツアーもヨーロッパを回ってきたように、新しいトライをしようと思っていて、毎回新しい曲をやるようにしているの」と話し、歌い始めたのがこの曲だった。なんとマイケル・カナンと一度も練習していない曲だという。指を鳴らしながらマイケルに話しかけながら楽しそうに歌っている姿に引き込まれた。
〆は「Over the Rainbow」、アンコールは「That’All」だった。
「アンコールに合っている曲名でしょ。That’s all(以上)よ!(笑)」と終始、親しみの沸くMCだった。


会場ビルエントランス前のボード
ポスターも美しいが実物はもっと美しかった。

・大満足の約90分 ライブ後はタイムスリップから目覚めたよう


明瞭な英語で大半の曲名を言ってから歌ってくれる彼女の姿勢からは、いろいろな人に自分の奏でる音楽やそのジャンルに親しんでほしいという想いが感じられた。
また、ピアノのマイケル・カナンを何度も紹介したり、最後に会場運営陣などへも感謝を示し、万雷の拍手に包まれたステラ・コール。気取らない人柄というか、きっと苦労してつかんできた世界への道なんだろうと感じるステージだった。
白黒フィルム時代のハリウッド映画の世界にタイムスリップしたかのような感覚にしてくれた彼女の豊艶な歌唱力と表現力。今後を追わずにいられない。次はアメリカで彼女のライブを見たい。そう思ったステラ・コールの初来日だった。


アメリカでの発売直後にStella Coleのサイトから2枚直輸入したが
その後すぐに日本でも発売された!(笑)


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