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八月納涼歌舞伎 新・水滸伝

久しぶりに歌舞伎座へ行った八月。何年振りだろうか。国立劇場にはよく行くけれど、歌舞伎座は久しぶり。エントランスが狭いのがねー昔の歌舞伎座は一回しか、あれも納涼だったけれど、あの時はエントランスが豪華で広くてワクワクしたのだけれど、今はすぐに舞台中だからなんとも味気ない。それでいうと国立劇場は豪華でいいよね。美術館級の日本画たくさんあるし平櫛田中の鏡獅子の彫刻もあるし。けれど、それも建て直しでどうなるんだろうか。
見たのは三部の新・水滸伝。あんまり筋も知らずにそのまま行く。
まぁ、ワンピースみたいなもんだよね。悪人だけど情に厚い梁山泊という家族みたいな盗賊集団が、悪の朝廷軍と戦うという劇わかりやすい展開。王道、凄い。ジャンプのバトル漫画なんだよなぁ。これは原作というか、元の三代目猿之助の時はどうだったんだろう。驚くのは演出というか、場面の切り替え。驚くほど多い。ちょっと出てきて、また暗転で、シーンが変わって。どんどん切り替えていく。花道を使ってどんどん変えていく。台本欲しかったなぁ。売ってなかった。ここまで場面ガンガン変えていくから、特に一幕は一時間とは思えない濃さ。
戦いのところは、やはり棚引く長い衣装にして、演武になってる。歌舞伎の殺陣は、ともするとつまらなかったりするけれど、これは面白い。朝廷軍の敵衣装がもろスターウィーズのロイヤル・ガードなんよね。やっぱり敵衣装は長いのが大事。
作りも基本。復讐的なものを持った主人公のカッコいい林冲が主軸だけれど、その周りで恋愛模様が展開。無骨な男の王英が、武人美人青華に惚れていく。それの背中を押すのが親友の陽気な美人暗殺者お夜叉という展開。お夜叉は、実は王英が好きというのを隠して二人を結ばせようとするという感じ。こんなの最近みたなと思ったら、これ、アニメのサイバーパンクだよ!レベッカだよ!2022年で一番好きなキャラ。
レベッカとお夜叉という、陽気で口が悪いけど優しいみたいな殺し屋と、武骨な男が惚れるクールだけど純粋な女という構図はやっぱりいつの時代も、褪せない魅力が出るのだわ。
やっぱり歌舞伎はアニメだわ。よく見りゃ隈取もサイバーパンクのあの感じだしさ。歌舞伎とサイバーパンクはたぶんめちゃくちゃ親和性高いんだよなぁ。歌舞伎のSFねぇ書こうかな。
しかし面白かった新・水滸伝。実は結構古典な歌舞伎ばっかり見てて最近のワンピースやらFFやらはまったく見てなかったけど、そら歌舞伎化できるんだわ。

三階の花道上の席だったから、まんまこんな近さで宙乗り見た。カッコええわ。


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