
診察を観察してみよう
こんにちは。
診療放射線技師のだーはらです。
診療放射線技師の仕事というものは、“医師や歯科医師の具体的な指示のもと“業務を行っています。
私たちの撮影した画像は、医師や歯科医師のもとへ送られ、診断の一助となっています。
では、撮影された画像はどのように使用されていくのでしょうか。
もちろん、診断は画像が全てではなく、患者の症状や身体所見、血液検査などの検体検査、整形外科の理学的検査など多くの情報において総合的に判断されます。
“画像がどのように診療に生かされているのか“
を知ることは、画像検査をする上で重要なファクターです。
それを知るためにぜひやってみて欲しいのが、
“医師の診察を観察する“
という経験です。
今回は、診察を観察するメリットをお話ししていきます。
画像検査に求められる役割
医師や歯科医師が画像検査を指示するとき、画像検査が必要であると判断した理由が存在します。
CTやMRといった精密検査であれば“検査目的“が記載されています。
患者さんには受診した理由や症状があり、その原因を調べるために画像検査が指示されます。
画像に求められる役割の多くは
“疾患の発見“
“疾患の経過観察“
“疾患の否定“
となります。
診療放射線技師は“画質“を求めすぎ?
画像診断の“画質“は二種類あります。
“分解能の高い画像“という画質
“正常像との差がわかりやすい画像“という画質
この二つの画質を高めることによって、診断能の高い画像を提供しています。
ときに、画質を高めることに集中するあまり、再撮影を繰り返したり、画像処理に時間をかけてしまうことがあります。
再撮影の繰り返しば被ばく量の増加につながり、画像処理に時間をかけることは診断の遅延につながるため、やりすぎないことが重要です。
診療放射線技師は画像に対するこだわりが強い人が多いですが、“自分が好む画像“と“医師が求める画像“に乖離が生じていないか考えながら検査することが大切です。
診察を観察してみよう
診察に立ち会った経験はありますか?
患者の隣に立って診察を眺める必要はありません。
診察室の隣の部屋や廊下で構いませんので、診察の様子を観察してみましょう。
私は、脳神経外科でバイトをしていた頃、検査に空きがある時や、最後の患者さんの検査後などの時間は、可能な限り診察の様子を観察していました。
診察中の医師と患者とのやりとりに関して、医師によってもちろん差があります。
私にとって幸いだったのは、観察していた医師が、患者の話をしっかり聞き、丁寧に診察をする医師であったことでした。
自分が撮影した画像に関して、どのように説明をするのか。
どのような画像がときに診察に使用されているのか。
画像はどの順番で見られることが多いのか。
診察室を観察しすることで学べることは多くあります。
ぜひ一度、診察の様子を観察することをお勧めします。
まとめ
診療放射線技師に限らず、“自分の仕事がどのように役立っているのか“を知っているかどうかを知ることは、大変重要な要素です。
“自分に求められていること“を考えずに、“自分のやりたい仕事“や“自分がこだわりたいこと“に注力していると、求められていることからどんどん離れてしまうことがあります。
仕事ができる人は、“やりたいこと“や“こだわりたいこと“が、偶然が必然か、“求められていることに合致していること“が多いのです。
“自分に求められていること“を知るために、医師と話す時間を定期的に取れれば1番いいのですが、医師は多忙で時間を取ることは難しいです。
診療放射線技師が多くの時間を過ごす放射線科の撮影室の中ではできない経験の中に、仕事に役立つことはたくさんあります。
手術に役立つ画像を知るために手術やカンファレンスに立ち会う経験もそうです。
放射線科から外に出ることで、“診療放射線技師とは異なる画像を見る目線“を知ることができるのです。
あなたの撮影した画像がどのように診療に生かされているのか
“医師の診察を観察する“
という経験をしてみましょう。
そこから学ぶことはたくさんあります。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。