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画像処理はスピードが命!

こんにちは。
診療放射線技師のだーはらです。

診療放射線技師の業務のうち、メインの業務となるのが『撮影』と『画像処理』の二つであり、今回は画像処理についてのお話をしていきます。

一般撮影からCT・MRなどに至るまで、撮影された画像は診療放射線技師による画像処理の後、医師や歯科医師に提供されます。

この画像処理に関して、私が最も大切であると考えているのは
医師に画像を提供するまでのスピード
です。

ここから、私がスピードを第一に考えるようになったきっかけを含め、その重要性についてお話ししていきたいと思います。

画像提供の遅れは診断の遅れに繋がる

画像検査は、画像がすべて医師のもとに提供されることで検査が完了します。
そして、画像検査は診断において重要な役割を持つため、画像の提供が遅れると診断にも影響を及ぼす可能性があるのです。
どんなに優れた画像処理を行なったとしても、その作業に時間がかかり、診断の遅れにつながってしまっては意味がありません。
10分で80点の画像処理ができるのに、100点を目指すために30分費やして医師や患者さんを待たせたとしたら、それはこだわりではなく技師の自己満足です。
どうしても時間のかかる画像処理は確かに存在します。
しかし、少しでも早く画像を提供し、診断の遅れを防ぐ意識を持つことは非常に重要なのです。

私がスピードにこだわるようになった出来事

画像処理の中でも、心臓を栄養する動脈である"冠動脈"に関しては、特に処理が煩雑で時間がかかるため、不慣れな頃は画像処理を翌日に持ち越すこともありました。

ある日、日中に冠動脈CTを受けた患者さんが、夜間に胸痛を訴え救急車で来院されました。
その日の私は偶然当直をしており、当直時間帯になってしまったものの画像処理を完了させていました。
出来上がっていた冠動脈CT画像と臨床所見を照らし合わせ、スムーズに血管カテーテル治療に進むことができました。

もし、私が当直でなければ、画像処理は翌日に持ち越されており、せっかく撮影した画像が治療につながることはありませんでした。

臨床所見や心電図所見でも血管カテーテル治療が必要との判断は出来たので、結果は変わらなかったのかもしれませんが、画像処理のスピードが治療に影響を与えると感じた出来事でした。

常にスピードを意識

画像処理の作業においては、スピードを常に意識しなければなりません。
締め切りを過ぎて提出した作品がどんなに優れていても評価されないのと同じく、必要以上に時間をかけて工夫した画像処理を行なったとしても、その工夫を評価される可能性は低いです。
一分一秒を争う状況では尚更です。
何より、画像処理の速度を急激にアップする方法はなく、焦ってミスをする可能性の方が遥かに高いです。
普段から常にスピードを意識して画像処理をしていると、作業スピードはどんどん速くなっていきます。
いざ急いで画像処理をしなければならないときに焦らなくてもいいように、常にスピードを意識しておくことが大切なのです。

まとめ

患者さんは各種検査を終えた後、不安な気持ちで診察を待っています。
医師や歯科医師は、診断のために必要な検査を依頼し、その結果を総合的に判断して診断を行います。
画像は判断材料の一つであり、病気の種類によっては画像が診断の大きな要素となる場合もあるため、少しでも早く画像を提供することが求められます。
焦って仕事をしている人に“ゆっくりで大丈夫“と声をかけて落ち着かせる場合はありますが、通常の業務でもゆっくり処理することを推奨していては、いざ迅速な処理が求められる場面でミスをしてしまう可能性が高くなります。
普段からスピードを意識して作業を行うことで、どんな状況でも落ち着いて画像処理を行うことができ、ミスも起こしにくくなります。

画像処理において、スピードを意識することは非常に重要なのです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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