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AIが適当に考えたプロット。     から適当に執筆してもらった小説❔④

前回

【第7話:史郎の覚悟と祖父の遺志】
 廃工場の奥深く、巨大な装置を前にホワイトが高らかに命じた。
 「――かかれ! 人間たちを捕らえろ!」
 その声を合図に、周囲に潜んでいた多くの衣服が一斉に飛びかかってくる。シャツやジャケット、ズボン、ドレス、帽子まで、雑多な衣服が四方八方から襲いかかり、逃げ場を塞ぐ。
 「まずい……この数は厄介ね!」
 楓(かえで)は持ち運び可能なミニ洗浄装置の操作パネルを握りしめ、噴射ノズルを上向きに展開した。
 「薬剤がもう少し残っている……これで動きを抑えるしかない!」
 だが、その装置を狙ってか、衣服の群れの中から狡猾に跳びかかってくるスーツがいた。楓の腕に絡みつき、装置を奪おうとする。
 「う、うわっ……離して!」
 思わず体勢を崩す楓。そこへ玲奈(れいな)が走り寄り、彼女を支えるように肩を押さえ込んだ。
 「大丈夫? ほら、踏ん張って……!」
 「悪い、助かる!」
 こんな非常時でも、二人の目が合えばバチッと火花が散りそうだが、今は揉めている場合じゃない。敵は多勢。とにかく息を合わせる必要がある。
 一方、史郎(しろう)はトレンチコートの袖をしならせ、手近な衣服たちを弾き飛ばしていた。さすがは名探偵の記憶を宿したコート、動きに無駄がない。
 「だけど、さすがに数が多い。葵(あおい)、どうする?」
 袂の先をこちらに向けながら史郎が問いかける。すでに葵も必死に応戦しているが、その表情は焦りを隠せない。
 「くそ……! これ以上手出しさせたら、あの装置で何をされるか分からない!」
 視線の先、ホワイトは静かに装置の操作パネルに手をかけ、青白い液体をぐつぐつと泡立たせている。
 「貴様ら人間には理解できないだろう。この装置によって、服と人間の関係は逆転する。持ち主の精神を上書きし、服が完全に主導権を握るんだ……。そのときこそ、我ら衣服が真の自由を得る!」
 まるで大義名分を語るように、ホワイトは声を張り上げる。周囲の衣服たちもそれに呼応するかのように凶暴化し、葵たちに襲いかかる。
 「そんなことしても、誰も幸せにならないぞ……!」
 葵は怒声を張り上げながら、懸命に応戦する。が、これ以上の交戦は厳しい。羽田(はねだ)が拳銃を構えるが、布相手に弾丸を撃ち込んでも決定打になるとは限らない。引き金を引くのにも躊躇いがある。
 そのとき、廃工場の外で騒がしい足音と声がした。
 「こっちだ、急いで応援を!」
 「こっちにも暴走衣服がいるぞ!」
 聞き覚えのある声。さらに、見慣れた制服の人たちがバタバタと入ってくる。地元のクリーニング仲間たちが、警察に連絡を取って応援に駆けつけたのだ。
 「お前ら、よく来てくれた!」
 葵は顔を上げ、仲間たちの姿を確認する。彼らもまた、クリーニング技術や洗浄スプレーを携えている。服同士の戦いには、やはりプロが必要だ。
 「筒井! 大変なことになってるじゃないか。お前がやるなら、俺たちも手伝わないとな!」
 男衆が次々に洗浄スプレーを噴射し、衣服の動きを封じ込める。楓もホッと胸をなでおろしている様子だ。
 「助かった……この混乱を抑え込みつつ、ホワイトをなんとかしなきゃ!」
 しかし――ホワイトはまるで計算していたかのように薄く笑う。
 「これだけ人数が増えたところで、結局は無駄だ。装置が完成すれば、もはやお前たち全員、服の意志に飲み込まれる……」
 彼の手が操作パネルを激しく叩くと、青い液体が大きく泡立ち、工場内の天井付近から黒いケーブルが垂れ下がってきた。まるで生きている蔦のようにうねるケーブルが、仲間たちを次々に絡め取っていく。
 「うわっ……何だこれ!」
 「ケーブルが勝手に動いてる……!」
 どうやらホワイトは、この廃工場に設置された古い配管やケーブルを改造して“遠隔制御”しているらしい。ケーブルはまるで巨大な鞭のように仲間たちを押し返し、拘束しようとする。
 「ちっ……厄介だ」
 史郎が冷静に状況を見極めながら、葵の耳元で小声で言う。
 「ここはオレに任せろ。もともと探偵の持ち主が見せた“立ち回り”ってやつを、思い切り発揮する時が来たようだ」
 「史郎……?」
 白いトレンチコートがふわりと浮き上がり、ケーブルの中を縫うように高く舞い上がる。名探偵らしい優雅な動きでケーブルを絡め取り、スイングしながら絡まりをほどいていく。
 「おいおい、服だけでそんなアクロバットができるのか……!」
 羽田や仲間たちが目を丸くする中、史郎は落下してくるケーブルを華麗にジャンプ(?)でかわすと、コートの裾を絡ませて急所を締め付けて動きを止める。
 「くっ……やるじゃないか……!」
 ホワイトが歯ぎしりする。一方、葵はその隙に装置に近づこうとするが、ホワイト本人の守りが固い。
 「お前と探偵のコート……どちらが強いか、見せてやろうか」
 ホワイトは纏うシャツから、さらに強力な衝撃波を発する。史郎がよろめいて落下しそうになる瞬間、何とかケーブルを踏み台にして着地する。
 「こんなもん、まだまだだな。探偵のコートを甘く見るなよ」
 だが、動きに切れがあっても、相手はホワイト一人ではない。周囲には多くの衣服がいて、次々に攻撃を仕掛けてくる。史郎が一人で対処するには荷が重い。
 「あんた、俺らの仲間を舐めるんじゃないよ!」
 そこへ、クリーニング仲間たちがさらに応戦し、洗浄スプレーを連携して噴射し始める。ジャケットやズボンの動きが鈍っていく。
 「葵! 今がチャンスだ!」
 「わかった!」
 ――葵は、先ほど祖母から託された“父の研究ノート”を片手に、真っ直ぐホワイトに向かって駆け出す。
 「邪魔だ……!」
 ホワイトがケーブルで葵を弾き飛ばそうとするが、その直前に横から楓が操作する洗浄ノズルから薬液が噴出し、ケーブルを一瞬だけ動けなくする。
 「今、行って……!」
 楓の声援。ホワイトは忌々しげに歯を食いしばる。
 「……貴様ら! なぜ、そこまでして……!」
 葵は必死に駆け、ホワイトと装置の狭間に飛び込むようにして叫んだ。
 「決まってるだろう……服と人間は共存できるからだ! その可能性を信じていたのは、俺の父さんも同じだったんだよ!」
 殴り合うような戦闘ではない。だが、ホワイトのオーラがビリビリと伝わり、葵の足元が震える。空気がぶつかり合うようにして二人が対峙する。
 「……お前は、捨てられたと思い込んでいるかもしれない。でも父さんは、最後までお前を見捨ててなんかいなかった。これを見ろ……!」
 葵はノートを開く。そこには走り書きのように、「試作体ホワイトへの愛情」「実験が成功すれば、人間と衣服の未来は明るい」「どうか、我が息子とホワイトが繋がってくれるように」といったメモがある。達筆とは言い難いが、思いの強さだけは伝わる内容だ。
 「……そんなもの、ただの戯言だ……!!」
 ホワイトが声を荒らげる。まるで心の奥の傷をえぐられたように。
 「だったら……!」
 葵は苦しい表情のまま、装置のパネルを睨む。
 「ここで、お前を力ずくで止めても、きっとお前は救われない。だから、俺にできることは、“お前の思いを知る”ことだ。お前だって、本当は……寂しかったんじゃないのか?」
 ホワイトの中で何かが揺らいでいる――そう、葵には見えた。シャツの表面がわずかに震え、その襟元から歪なオーラが漂う。
 「……黙れ……!」
 ホワイトが衝撃波を打ち放つ。ドン、と爆風が広がり、葵は吹き飛ばされそうになるが、踏ん張って何とか耐える。
 「葵!」
 玲奈が悲鳴を上げる。楓も制御パネルを放り出して走り寄ろうとするが、衣服の残党に絡みつかれて動けない。
 ――そのとき。
 「ここはオレが引き受ける。名探偵のコートの意地、見せてやる……!」
 史郎が颯爽とホワイトの衝撃波へ飛び込むように立ちはだかる。布と布の衝突音がビリビリとした空気を震わせる。
 「探偵の持ち主が殺されたのは、お前の仕業か……!」
 史郎の問いに、ホワイトは一瞬、瞳(のようなオーラ)を曇らせる。
 「……あの探偵は、人間を信じきれずにいた私を“助けようとした”変わり者だった。だが、その好意は私を混乱させただけだ。私は、何者にも救われない……!」
 そこにあるのは極端な絶望感だった。人間との共存なんてあり得ない――その思いがホワイトを突き動かしている。
 「お前は、作られた存在かもしれないが、“自分の意志”を持ってる。だからこそ、こんな選択をしたんだろ……。なら、今からでも向き合えばいい。父さんの思いと……街のみんなの優しさと!」
 葵が最後の力を振り絞って叫ぶ。
 ――その一瞬、ホワイトの攻撃がわずかに鈍った。シャツの繊維が揺れ、一気にオーラがちらつく。そこを見逃さず、史郎は己のコートの裾でホワイトを絡め取るように拘束した。
 「ぐっ……何を……!」
 「葵、今だ! あの装置を止めろ!」
 史郎の怒声。葵はふらつく足で装置のパネルへダッシュし、緊急停止のスイッチを探る。しかし、何やらパスワードやロックがかかっているらしく、簡単には止まらない。
 「くそ……。だったら、これをぶっ壊すしかないか!」
 拳を握って叩き壊そうとするが、そうしたら中にある液体がどうなるか分からない。暴走したらさらに危険かもしれない。
 「やめて……!」
 意外なことに、ホワイトが切実な声をあげる。史郎に絡め取られたまま、動きがとれずに苦しそうにうめく。
 「この装置は、実験失敗の残滓(ざんし)を利用している……。もし破壊すれば、周囲に有害な薬液が拡散して、服も人間も巻き込む……!」
 葵の背筋に寒気が走る。
 「それって……共倒れになるってことか!?」
 「そうだ……私だけが死ぬなら良い。だが、服たちも、人間も死ぬことになるかもしれない……!」
 葵は迷う。装置を壊さない限りこのまま止まらないが、壊したら大量の命が失われるかもしれない。
 「みんな……離れて! ここから逃げて!」
 ホワイトが叫ぶ。まるで先ほどまでの威圧感が嘘のように焦燥感がにじむ声だった。
 「お前……何で急に……」
 史郎が目を見開く。ホワイトは苦痛に歪んだまま、かすかに震える声を振り絞る。
 「私は、服たちを……救いたかった。人間に利用されるだけの存在から解放したかった。でも、こんなやり方しか思いつかなかったんだ……」
 「ホワイト……」
 葵がそっとノートを握りしめ、装置のパネルに手をかざす。
 「……分かった。装置を完全に停止させる方法、きっとあるはずだ。父さんのノートに、緊急解除コードか何かが……!」
 ノートの端末メモ欄に、一つの手書きパスワードが記されている。“Tsutsui-Lab CODE: 0708”――ダメ元で入力してみる。
 カタカタ……ピー。途端に、装置の警報が鳴り、モニターが真っ赤になる。
 「……嘘だろ……いけるか?」
 緊張が最高潮に達した瞬間――ググンッと大きく機械がうなり、青白い液体の泡立ちが次第に静まっていく。
 「停止してる……!」
 周囲で暴れ回っていた衣服たちも、衝撃波に煽られなくなったせいか次第に動きを弱め、ぽとりと落ちるように倒れこんでいく。廃工場の床にはたくさんの衣服が散乱し、微かなうめき声のように沈黙していった。
 「やった……装置は止まったみたい……」
 楓や玲奈、羽田、そしてクリーニング仲間たちも、ほっと安堵の息をつく。まだ戦闘の余韻が残るが、少なくとも“一斉暴走”は止まった。
 ホワイトは、史郎の拘束から力なく崩れ落ちる。シャツの折り目から、白い光がふっと漏れ、そこからふわりと人型の輪郭が浮き上がった。
 「……これが……実験で埋め込まれた、人格のコア……?」
 葵が驚く中、ホワイトは微笑むようにかすかな声を落とす。
 「葵……か。もし、あの人が生きていてくれたら、私も……」
 その言葉を最後に、ホワイトのシャツから力が抜けていく。青ざめた布はガサリと床に落ちた。
 「ホワイト……!」
 思わず駆け寄る葵。布はぼろ切れのように弱々しく、かすかに残る声は震えている。
 「私は……間違っていたかもしれない。服も人間も、憎しみあうしかないと思っていたが……お前たちは、互いに手を取り合っているじゃないか……」
 ――その声は届いているのか、もう聞こえないのか。ホワイトの最後の意識が途切れそうになるとき、葵は必死で布を抱きかかえるようにして叫んだ。
 「間違ってなんかいない……お前が願った“救い”は、きっと形を変えて、これからも続いていくんだよ!」
 父のノートには、もう一つ“特別な浄化プロセス”の走り書きがあった。葵はそれを必死で思い出し、最後の力を振り絞ってホワイトに語りかける。
 「布と人間は、憎しみじゃなく、思いやりで繋がれる……! たとえお前が行き場をなくしたとしても、俺が受け止める……! もう一度やり直そう、共に……!」
 微かに、シャツが震えた。――それがホワイトの意志か、残された人格の残滓かはわからない。
 が、次の瞬間、ふっと生暖かい風が吹き抜け、ホワイトの表面の布がわずかに光を放って静かに沈黙した。
 廃工場には、ざわめきだけが残る。すべてを失い、うずくまるような布の塊が、そっと床に横たわっていた。


【第8話:静寂と始動、そして和解への道】
 廃工場の戦闘が収束し、ホワイトの装置は停止した。突如として人間を襲っていた衣服たちも、大半が動きを止めたままぐったりと床に倒れている。
 「……これで、終わったんだろうか……」
 葵が膝をつき、床に転がったままの白いシャツ(ホワイト)を見下ろす。その布はもうほとんど動くことはなく、かすかに残った意識の気配も消え入りそうだ。
 羽田が周囲を見回しながら通信機に向かう。
 「こちら羽田。緊急事態はひとまず沈静化した。負傷者が何名かいるから、救急の手配を頼む……」
 応援の警官たちやクリーニング仲間たちも一段落して、廃工場の広いスペースに点々と座り込み、荒い息を整えている。予想を上回る激戦だった。
 楓は背中に背負った洗浄装置を降ろし、「ふう……薬液、もうほとんど空っぽ」と安堵のため息をつく。
 「まさか、こんなに危ない装置を作っていたなんて……」
 玲奈は床に腰を落とし、スマホを握ったまま下を向く。事件の一部始終をカメラに収めていたが、その衝撃は計り知れない。
 「人間に翻弄され、行き場を失った服……ホワイト……。でも、ホワイトは最後に“逃げろ”って叫んだのよね。皆を救おうとしていたのかも」
 過激な思想を振りかざしていたはずのホワイト。それでも、装置を壊せば大勢が巻き込まれると知って、最後は止めようとした。真の目的は、“服を救いたい”という願いだったのだろう。
 一方、史郎は白いコートの身を伸ばして、膝をつく葵の肩にそっと触れる。布の擦れる音が小さく響く。
 「葵、ホワイトは死んだわけじゃない。そのシャツの奥に、まだ何かかすかな意識が残っているように感じる」
 「……うん。俺も、そんな気がする。だって父さんの実験で与えられた人格が、そう簡単に消え去るはずない。きっと、生まれ変わりを待っているんだと思う……」
 父の研究ノートには「特別な浄化プロセスで、一度暴走した人格を“再生”できる場合がある」と書かれていた。実際、史郎も名探偵が亡くなったあと、持ち主を失った服としてしばらくあてもなくさまよっていたが、葵のクリーニングによって心を取り戻した面がある。
 「でも、そのためには時間が必要かもしれないな」
 史郎がつぶやくと、楓がそれに呼応するように顔を上げる。
 「だったら、きちんとした設備のあるところでケアしよう。うちの店のラボでもいいし、筒井クリーニングでもいい。……ただ、今は装置が壊れてるか」
 「うちも店がボロボロだし……。でも、なんとか再建して、父さんの技術を生かしてあげたい」
 葵はホワイトを優しく抱き上げ、そっと胸に抱きしめる。
 「お前は、もう独りじゃない。俺たちがいるから」
 その瞬間、ホワイトの襟元がかすかに震え、ひゅう……と小さな吐息のような声を立てた。まるで、ありがとう、と言っているようにも聞こえた。
 周囲の衣服たちも少しずつ意識を取り戻し始めた様子だ。支配装置の影響が消えたことで、自我が戻り、混乱しているように見える。葵の仲間たちは「大丈夫か?」と声をかけながら、優しく抱き起こしたりしている。
 やがて警察の応援と救急車が到着し、負傷者の手当てが始まった。廃工場は一時的に封鎖され、ホワイトの装置や関連データはしかるべき機関が調査することになる。
 羽田は葵の肩をポンと叩く。
 「君のおかげで、最悪の事態は免れた。上層部もようやく動くだろうし、こうなったら衣服と人間の共存について、ちゃんと考え直す場ができるかもしれない」
 「あとは報道で、今回の事件の真相を正しく伝えることね」
 玲奈が意を決した面持ちで頷く。
 「『衣服反乱の首謀者・ホワイトの真実』……まだまだ誤解されることも多いだろうけど、私がちゃんと記事にしてみせる。人間にも服にも、救いのある形で……」
 葵はほっとした表情を浮かべつつ、ホワイトを抱きかかえたまま立ち上がる。
 「じゃあ、俺はこいつを連れて帰るよ。白トレンチコートの史郎みたいに、いつかきっと“再生”できるはずだから」
 そう言ってホワイトの布を見つめる葵の瞳には、確かな意志が宿っていた。父の研究を継ぐ者として、そして服と人間を結ぶ存在として――彼はこれから先の未来を切り拓いていくのだろう。

続く

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みちパン
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