#119_わたしたちは、なぜいつか死ぬの?

命を繋ぐにはエネルギーが必要だ。
食事、呼吸、排泄、睡眠・・・すべてえねるぎーの出入りを伴う。
そんな多くのエネルギーを費やして繋いできた命を、「絶やす」行為である「死」

生き物にとって「死」の意味とは何か。

それは、連続性を断ち切ることで、新たな環境に適応できる種を創出することが可能だからである。

生物にとって大切なことは二つ。
① 生を維持すること(生きる)
② 種を繋ぐこと(繁殖)

これらの原則は、命を取り巻く外界の環境が変わることを前提として成立しているそうだ。

生命の誕生と消滅は、ミクロレベルでも行われている。
例えば皮膚や骨。
わたしたちの細胞は、身体の奥で常に新しいものをつくり続けている。
新しい細胞が表面に出てくるためには、古い細胞が剥がれ落ちることが必要だ。
死は、新しい生を迎えるために存在するのだ。

壊すことで新しい考えを受け容れられるようになるのは、わたしたちの思考も童謡である。
常に古い考えに縛られていると、環境の変化に適応できない。
新しい考え、新しい価値観、新しい世界・・・これらを取り入れながら、でも自分の軸をもって生きていくことの意味を、ゲノムは教えてくれる気がした。

感情が存在する意味についても、生命科学は教えてくれる。

怒り感情は、的に対峙したときのエネルギー源として。
孤独感は、もともと弱い存在だった人類が凝集することによって生命を維持してきた、危機管理能力の一部であると言われている。
不安や孤独感は敵ではない。
わたしたちが遺伝子のシグナルを受け止めながら「生きている」証なのだ。

ポジティブな感情もまた然り。
人と共に生活して「楽しい!」「わくわくする!」と感じるのは、人と共に生きた方が個体として命を維持するために有利だからである。

「生の維持」「種の繁栄」には優先順位がある。
まず、生物は「生の維持」に全力を注ぐ。
例えば、生まれて間もない赤ちゃんは、生を維持するために「泣く」という行動を取る。
これは、自分がひ弱ゆえに、一人で生きていく力がないことを本能的に察知しているからだ。
このときはまだ、「自分中心」である。視野も狭い。
狭くていいのだ。自分の命を維持することを最優先に生きているから。

ただ、大人になっても視野が狭く自己中心的な人がいたとしたら、、、
それは「生の維持」に不安を抱えているのかもしれない。
インターチャイルドをうまく満たせる生活が営めることを、ただただ祈る。

生命科学、めっちゃ面白いな。
こういう思考ができるようになりたい。
(参考文献:生命科学的思考 高橋祥子 パブリッシング)


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