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夜の開花【詩】

夜を
眠りの泥舟で渡る
やがて
朝日の寒気を纏う暖かな光が
大地の瞼を開き
暗い海を割って頬へと零し流す
誰もが忘れたなにかを導くように

そして
いま瞳に降り立つ
野に無数に咲く哀憐と祈りの花々は
夢も幻も見ない世界の果てしない寝返りをためらわせる
ゆっくり垂れる、垂れ落ちる光の乳を吸っている
その花びらは死んだ星たちが煌めく夜を開いている
そんな夜を覗いている

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曲田尚生
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