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緑の祝福【詩】

青白の
奉納する浅い夜の蝋細工の手に
ちぎられ
曳かれて
攫われて
静かに転落する

うつらうつらと
ひらひらと
滴り零れゆく肉の花弁の雨
微かにうつむき響くその葉音
腐臭漂う霧と霞の狭間の嗄声
べたつく血の梅雨を感じる

ああ
吐き気、吐き気
吐き出した嘔吐を飲み込んで
裏返る身体に祝福する
枯れた肉の大地に華やぎを
散った肉の空に木漏れ日を




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曲田尚生
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