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沈黙【詩】

磔られた遠きわたしの幼き存在から目覚める轟に
耐えて
崩れた
うちゆらぎ、ぼやけた城のなか
暗く虚空は広がり
因果は荒ぶ
静寂は啜り泣きすべてを飲み込む

朽ちて
捲れ
剥がれ落ちてゆく皮脂の瓦から覗く
瞼のない夜の眼差しは
なにを瞳に宿すのか
そう、語りえぬなにかを
忌み
蔑まれながら
愛され
祝祭された
胎児を

唾撒き散らす
底抜けた頭の持ち主は
喧騒と喝采に煽られ
豪雨のごとき鳴らす歯に噛み砕く
勢いのあまり
その哀れな子を
その亡骸を
揺籃のように手ですくいあげて
口にそそいで
わたしの胃のなかで埋葬してあげたい

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曲田尚生
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