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自ら命を絶った息子――命って、生きるってなんだろう?⑩

最愛の息子を亡くし、人生が一変した母親の話。

《ごめんなさい》

私は、息子が亡くなって、
一度も会社に顔を出さず、挨拶なく会社を辞めた。

本当なら、いきなり仕事を休んで、仲間に迷惑と心配をかけ、お詫びをしなければならない事は、重々承知だ。


でも、なんか、行けなくなった。


会社の仲間は、きっと、どんな風に声をかけたらいいのか、悩みながら接してくれると思う。


私も、どう話そうか、どこまで話せるのか、泣いたらどうしようとか、

笑って接客できるのだろうか?とか、いろいろ考えていたら、なんか疲れてきて、


会うのが怖くなって、


やっぱり外に出るのが怖くて


だから、そのまま挨拶なく辞めた。


私は、誰とでも仲良くなれて、明るくて、面白くて、友達も知り合いもたくさんいて、いつも笑っているような人間だった。


でも今は、泣いてばかりで、暗くて、引きこもって、友達の連絡を無視するようなら嫌な人間になってしまいました。


会社のみんな、心配してくれてたのに、ごめんなさい。


私の事は、忘れて下さい。気にかけないで下さい。


その方が楽だから。