自ら命を絶った息子――命って、生きるってなんだろう?⑪
最愛の息子を亡くした、母親のその後。
《自死遺族》
息子が亡くなって、ずっと家に引きこもるようになった。
ただひたすら、パソコンを開き、
なぜ息子は死を選んだのか、
理由が知りたくて『自殺』の文字を何度も検索した。
その中で、よく目にするのが『自死遺族』と言う文字。
自殺で亡くなった、家族の呼び名だった。
ネットの中には、自死遺族の掲示板や、ブログがたくさんあり、
みんな、苦しんで苦しんで、その辛さを吐き出したくて、掲示板に集まってくる。
自死遺族にしか分からない、心の叫び。
同じ境遇同士、胸の苦しみを吐き出して、少しでも楽になりたくて、掲示板の中で慰め合い、語り合う。
でも、それは一瞬の安らぎで、また、気持ちは沈む。
なぜあなたは亡くなったの?
あなたが死ななければ、私は自死遺族にもならなかった。
世の中の人々は、普通に笑って、買い物して、食事して、映画見て
普通に生活してるのに、
私は、毎日、毎日泣いている。
辛くて、悲しくて、生きがいが無く、世の中から取り残された感じがして、
明日が来るのが嫌で、明日が来なければいいのに……なんて思う。
あぁ、そっかぁ……あなたも、こんな気持ちだったんだろうなぁ。
明日が、月曜日が、怖かったんだよね?
矛盾してるけど、今のお母さんも日々辛くて『死にたい』あなたの気持ち、少しは分かる。
でもね、最愛の人を亡くしたら、他の誰かも、死にたくなっちゃうんだよ。
自殺は自殺をうんじゃうんだよ。