![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162160554/rectangle_large_type_2_3c0d3a7183d0bbe68855aa162693696b.jpeg?width=1200)
56歳 歯を抜いて思うこと
先月(2024年10月)に、30年ちかく問題を抱えていた右下の第一大臼歯を抜いてもらった。いまそこは歯抜けの状態である。
20代前半で虫歯になったこの第一大臼歯。虫歯部分を削って金属の歯冠をかぶせてもらったが、そのうちに直下の歯肉が腫れるようになった。今考えると神経を抜く根の治療がうまくいかなかったのだと思う。ぷくっと膨らんだところはつぶすと血膿が出た。幸い痛みはなく、仕事が忙しいためやり過ごした。若い時分だからよかった。
その後、歯科医師の話を聞く機会があり、「歯のメンテナンス」というものを知った。車や家の維持管理と同様に自分の歯も定期的な手入れが必要というわけだ。半年に一度、歯科クリニックに通うようになり、問題の血膿も診てもらい、それなりに良くなった。
私が子どもの頃は、虫歯は悪い部分を大きく削って金属を詰めたり歯冠を被せたりするのが当たり前だった。しかし歯をできるだけ残す保存という考えとその治療方法について、これまた歯科医の先生から教えてもらった。歯科治療も進化している。それ以来、転勤した新しい土地でクリニックを探す時は、できるだけ歯を残すことにトライしてくれる歯科を探すようにしている。
血膿の第一大臼歯もできれば抜きたくなかった。ただ腫れのほかに、歯もかなり浮いた感じで、咬むのも不安な状態になり、意を決して歯科に行った。「治療の時期をひっぱりすぎたかもしれませんね」。歯槽骨が溶けて白く映らなくなった歯科CTの画像をみながら先生が説明してくれた。この口腔外科・インプラントが専門の先生とはもう10年以上のつきあいである。思えば様々な歯科の先生に診てもらっているなあと思いながら、年貢の納め時とあきらめた。
抜歯して1か月、へこんでいた歯肉が少し盛り上がってきた感じもする。歯槽骨が戻ってきたらインプラントにしてもらうつもりだ。ブリッジも選べたが、土台にする奥歯と手前の歯を大きく削ることになるため、先生と話し合って1年くらい骨の回復を待つことにしたのだ。通っているクリニックには専門が異なる複数の歯科医師がいて、口腔外科の先生とは別に、「ここは保存したほうがいいのでは」と意見を寄せてくれた。保存派の私としては納得である。
いい歯のためには、歯科医師の先生とよく話すことだ。話すにあたっては、それなりに自分でも歯科治療の情報をみておいたほうがいい。今の時代、新聞、雑誌、書籍の紙媒体のほか、インターネットで歯科の情報はいろいろと入手できる。情報の取捨選択は当然必要であるが「ネットで見た」「新聞で読んだ」と言って、知りたいことを歯科医師に聞いてみるとよい。とても丁寧に教えてくれる。
歯抜けの私からいわれても説得力がないかもしれない。インプラント治療に際しても先生からいろいろ話を聞くつもりだ。これまでに、ありがたいことにたくさんのいい歯科医に巡り合えた。皆さんも、歯科医師との二人三脚でいい歯を保ち、健康的な生活が送れますように。