うん。この夏は本気だから。
※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございます。
いきなり「本気」とか普段自分が使わない言葉を頻繁に使うことに、少し気恥ずかしくなるが、あえてこの言葉で表現したいなと思う。
夏休み終わりに地元に帰省したときや、後期に入って大学に行ったときに「垢抜けたね!」と言われたいと素直に思っていた。垢抜けるためにとりあえず身体を絞るのが早いと思ったので、ダイエットを始めた。
そうはいっても幸せなことにわたしの周りにはおいしいものがたくさん転がっているので、痩せよう、なんて簡単ではない。大体19年間ともに生きてきた脂肪は簡単に別れさせてはくれない。
しかもわたしの意思は薄弱である。一人では確実に何かを続けられはしないことは分かっていた。
いつものように、寮の共有スペースでそんなことをぼやいていたら彼女たちのうちの一人が言った。
「じゃあ夏、一緒に走る?」
やっぱり誰よりもはやくわたしは「行く!!!」と答えていた。
1週間後の今日から、ようやく期末課題が落ち着いたので、寮の4人ほどで近くの大きい通りを走ることにした。
8月とはいえ、夜はすこし涼しい。しゃべりながら軽く走ると身体がぽかぽかしてくる。
いつもより一段と大きい月が雲からのぞくのをながめながらゆるゆるとはしる。はしりながら彼女たちの近況を聞いたり、へんな走り方をしてふざけたり、疲れたら疲れたと素直に口に出してみたりする。
ダッシュして、スキップして、ギャロップして、、そんなことをしていると足の先に心臓があるくらい身体の隅々まで血がぎゅるぎゅる巡っている感覚。普段ぜんぜん使わない奥の筋肉まで動かしている感覚。ふざけながらゆるく走っているのに、あぁわたしたちのからだは生きてるんだなあと思う。
そんな感じで1時間ほどわたしたちは家に帰ってきた。
たくさん走って帰ってきたあとに飲んだ水は冷たくておいしかった。
走ろう、と思ったときから、わたしは自分の本気度を口にするのに抵抗がなくなっていた。
寮の友達とスーパーに買い物に行ったとき。大学の友達と学食を食べているとき。地元の友達と近況を話しているとき。前よりもすこしダイエットを意識している(つもり)の買い物かごや、ご飯、筋トレの話を聞いたときに、彼ら彼女らは「ダイエットしてるの?」とわたしにきく。
そんなときわたしはこう答えるようになってきた。「うん、もうこの夏は本気だから。」
ちょっと前なら「本気」なんて言葉、人前では言わない。だってはずかしい。「夏」「本気」「走る」の三拍子なんて青すぎて聞いてるだけではずかしくなってくる。
でもわたしはもう「これに本気だ」と言える。ダイエットに関してこんなことが言えたらもうなんにでも本気だと言えるんじゃないか。
とりあえず本気だと言い切っているのだから、夏休みは「本気」で夜に彼女たちと走り続けたいと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?