金平糖 あとがき
『金平糖』は自分の中で一番良くできた作品です。
なぜかというと、大学の講義で様々な人に見ていただき、批評してもらった作品だからです。
自分が思っている以上に作品を読み込まれていて、こっ恥ずかしくなった思い出があります。
まるで私の頭の中を覗かれているような感想や私以上に登場人物に入り込んだ感想をもらい、ストリップをしているような気恥ずかしさがありました。
ただ、指摘をもらうことで、変えなければいけない点やこだわりたい点が明確になり、何が書きたかったのか具体化しました。
人に読まれることが作品にとってどれだけ大切なのか、体感しました。
この作品を作ったきっかけは、講義で2000字程度の短編小説を作る課題を課されたからです。
期間が短かったので、以前から考えていた設定から考えました。そして、筆が乗った作品が『金平糖』でした。
その結果、私の恋愛感やひねくれ加減が完全に主人公に投影されてしまいました。感想で主人公のひねくれの一貫性を褒められ、リアル感が出たのは良かったかなと前向きに捉えました。
また当初、彼の熱烈なアタックをストーカー気質と捉えられてしまう問題がありました。
元々、彼のモデルはいたのですが、創作物なのでより「変・自由・面白い」働いている部署は営業!とアバウトな設定にしていました。締め切りまで時間がなかったのもあり、ライティングハイのようになっていて、彼の変人加減をストーカーにしてしまいました。
また、字数制限があり、両想いになる過程がうまく描けなかったため、少ない恋愛経験からひねり出した馴れ初め(鮭や読み聞かせの場面)でなんとか問題を乗り越えました。
受講していた講義は、想像以上に面白い作品で溢れていて、人間の想像力ってすごいなと語彙力のない感想を抱きました。
そんな人たちから感想をもらったこともあり、読者に伝わるような書き方になるように工夫したり、どうしても譲れない点は何か気付かされたりしました。
作品は完成したあとからも成長するのだなと感じました。