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韓国の地方しか行かない 清州旅002 緑豆粥のサムゲタンをごちそうになる

9月上旬。2日前に買った激安チケットで無計画にも成田→清州へ行ってみました。清州という町も空港に関しても情報がほぼないので、何にも期待しない貧乏旅行の予定でした。

お腹が空いて倒れそうです

空港でいろいろあったせいで、もう16時。9月上旬の清州は東京と同じくらい暑く、日差しも強かった。湿度が低いのは助かる。

オーナーさんの車で宿に向かう道すがら、「昼食をちゃんと食べてないから、おいしいお店を教えてください」とお願いした。待ってましたとばかりに「今日は暑いからサムゲタンだな」と、オーナーさんは行きつけの店、정가네반계탕(チョンガネ バンゲタン)に乗り付けた。

あ、1人で食べに行く予定なのに……。

スマホケースを逆につけたおかげで、謎のフィルターがかかりエモく撮影できた。チョンガネは国立現代美術館清州館のすぐそば。再訪したい店の1つだ。

ブレイクタイムなのに店長さんに電話して無理矢理、店を開けさせ、「初めての日本人のお客様にごちそうだ!」と太っ腹なところを見せるオーナー。「すみません、ありがとうございます」とコソコソとついていく私。店長さんは昼寝中だったようで、ボーッとしていた。

うちのオーナーが強引で申し訳ない。

物価高の韓国で、この価格はお得だと思う。

ここの名物は녹두죽반계탕(ノクットジュクバンゲタンと読むと思います)だった。初めて見るメニュー名に、何が出てくるのか想像がつかない。  横にある엄나무ってなんだろう? 調べてみた。

ハリギリ
根皮は去痰,鎮痛作用があり,痰,打撲傷,リウマチの痛みなどに用いる.樹皮にも鎮痛作用があり,リウマチによる筋肉痛,腰脚痛,できものなどに用いる.
新芽は山菜として食べられる.

熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベースより

엄나무はサムゲタンにも入っているらしいが、私には香りや味はよくわからなかった。みなさん、わかりますか?

清州はおかずの種類が少ない

食べ慣れた全羅道の濃厚なキムチと比べると、清州のキムチはあっさりしている。小さな貝の塩辛が、わ、おいしい。韓国で食べる生の玉ねぎはどうして甘くておいしいのだろう。

野菜のおいしさに、この5年は激動だったなあ、やっと韓国に来られたんだと感慨深くなった。

それにしても、清州はおかずの種類が少ないな。全羅道の10何種類のおかず責めに慣れていると物足りない。

アッツアツで登場した緑豆粥のサムゲタンならぬパンゲタン。あっさりしていて日本人好み。

初めての味、녹도죽반계탕

少しすると、グッツラグッツラ煮えた녹도죽반계탕と石釜で炊いたご飯が出てきた。炭水化物天国だ。

녹도죽반계탕とは鳥の半身が入った緑豆粥だった。緑豆のザラッとした舌触りがアクセントになっている。あっさりとしていて、鳥の出汁が効いている。素材重視の日本人なら、お粥も鳥も何もつけないでそのまま食べた方が満足度が高いかもしれない。

疲れた体におだやかに染みるおいしさだ。

鶏肉はこのくらいの量で十分、途中で飽きない。オーナーさんは写真家でもあるので、気づかないうちに激写される。

朝鮮人参やナツメとか、身体によいものがたくさん入った参鶏湯もいいけど、녹도죽반계탕の控えめな味わいは日本人好みだと思う。鳥が半身なのもちょうどいい。小食な私がペロッと平らげられる量だった。

緑豆は体の熱を取る食材で、夏バテ防止によいそうだ。

仕返しで激写。食後のヌルンジ茶を楽しむために、ご飯が届いたらすぐにご飯を出して水を注ぎましょう。

無言でがっつく私に、オーナーさんはうれしそうにあれこれ世話を焼いてくれた。石釜からご飯をよそり、お焦げがたくさんついている石釜にお冷やをドバッと入れて蓋をした。
「ヌルンジもおいしいよ」
清州のヌルンジは水なんだ、お茶じゃないんだ。
後からわかったのだが、オーナーさんはご飯のお焦げが大好きで、他の食堂で大量に分けてもらって、スナック感覚で食べていた。

清州、いい町かもしれない

初回の食事で大変おいしいものをごちそうしていただき、清州への期待は急上昇した。そしてオーナーさんのおすすめを全面的に信頼することに決めた。

つづく

今回紹介したチョンガネは、あひる鍋も名物のようです。靴を脱いで入店しますよ。

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