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日本怪獣出現史~ゴジラから『ウルトラQ』ケムール人まで

自分は『ウルトラQ』『ウルトラマン』で怪獣と出会った世代で、それ以前の東宝の怪獣映画は、後から追っかけで見た感じなんですけどね(それでも
相当の古株だとは思いますけど)。
もしも初代のゴジラからずっと、リアルタイムで観ている怪獣ファンがいたら、その人がテレビで毎週怪獣が出てくる『ウルトラQ』に、どんな衝撃を受けただろうって、それを追体験してみたい気持ちになりまして。

そこで、『ゴジラ』以来の怪獣映画、怪獣の出てくるテレビ作品を、その
公開順、放映順に並べたリストを作ってみることにしました(怪獣を紹介した各サイトに飛べるようにしたので、ちょっとした怪獣図鑑ということにもなりますね。各サイトの方々、失礼します)

ここで言う怪獣は、等身大ではない、いわゆる「巨大怪獣」に限定しております。逆に言うと巨大であればロボット、植物、宇宙人であっても、怪獣の中に入れておりますし、テレビ初期の、ややチープな怪獣たちも、仲間に入れております。
ただし、人間が巨大化したものや、「大ダコ」など、怪獣としての固有名詞がついていないものは、除いております。

ということで、よろしくご覧ください。

<怪獣出現クロニクル>

〇1954年11月3日 ゴジラ(『ゴジラ』)


〇1955年4月24日 アンギラス(『ゴジラの逆襲』)

〇1956年12月26日 ラドン(『空の大怪獣ラドン』)

〇1957年12月28日 モゲラ(『地球防衛軍』)

〇1958年10月14日 バラン(『大怪獣バラン』)

〇1958年10月19日 マンモスコング(『月光仮面』)

〇1960年4月3日 マリンコング(『怪獣マリンコング』

〇1960年4月20日 ギャプラ(『ナショナルキッド』)

〇1961年7月30日 モスラ(『モスラ』)

〇1962年3月21日 マグマ(『妖星ゴラス』)


〇1963年12月22日 マンダ(『海底軍艦』)

〇1964年8月11日 ドゴラ(『宇宙大怪獣ドゴラ』)

〇1964年12月20日 キングギドラ(『三大怪獣地球最大の決戦』)

〇1965年8月8日 バラゴン(『フランケンシュタイン対地底怪獣』)

〇1965年11月27日 ガメラ(『大怪獣ガメラ』)

〇1966年1月2日 ゴメス(『ウルトラQ』)

〇1966年1月2日 リトラ(『ウルトラQ』)

〇1966年1月9日 ゴロー(『ウルトラQ』)

〇1966年1月16日 ナメゴン(『ウルトラQ』)

〇1966年1月23日 ジュラン(『ウルトラQ』)

〇1966年1月30日 ペギラ(『ウルトラQ』)

〇1966年2月13日 ゴルゴス(『ウルトラQ』)

〇1966年2月20日 モングラー(『ウルトラQ』)

〇1966年3月13日 バルンガ(『ウルトラQ』)

〇1966年3月20日 ラルゲユウス(『ウルトラQ』)

〇1966年3月27日 ガラモン(『ウルトラQ』)

〇1966年4月17日 大魔神(『大魔神』)

〇1966年4月17日 バルゴン(『ガメラ対バルゴン』)

〇1966年5月1日 パゴス(『ウルトラQ』)

〇1966年5月8日 ケムール人(『ウルトラQ』)



・・・というところで、パゴス、ケムール人あたりで、ウルトラQ怪獣の数が、東宝怪獣の総数を越えてしまったので、一区切りとさせてください。

東宝がゴジラから11年かけて、11匹の怪獣を作り出してきたのですが、その数に『Q』が、たった放送4か月で並んで、追い越してしまう・・・というのが、テレビというものの消費力なのだなと、改めて驚きます。
(その異常にハイペースな露出が、怪獣ブームを巻き起こしたのも、当然と言えるでしょう)

怪獣の設定やデザインの進化で言えば、東宝は、最強の恐竜ティラノザウルスをモチーフに、原爆のメタファー的要素を細部に入れた、ゴジラという、最初にして決定版的なものからスタートして。
同じ恐竜モチーフのアンギラス、ラドン、ロボットのモゲラ、ムササビをモチーフにしたバランをはさんで、カイコと蛾をベースにしつつも、よりファンタジックに発想を広げたモスラで、新境地を確立。
その後は試行錯誤を重ねつつ、宇宙怪獣に伝説の龍のデザインを取り入れ、最強のボスキャラに仕立てたキングギドラで、怪獣表現の一つの頂点に達したと言えるでしょう。

円谷プロの『ウルトラQ』は、東宝怪獣の着ぐるみの流用もありつつ(ゴジラ→ゴメス、ラドン→リトラ、東宝キングコング→ゴロー、バラゴン→パゴス)、次第に、東宝にはない独自の設定、デザイン世界を展開していきます。
ペンギンから取った名前を持ちながら、デザイン的に全くその片鱗のないぺギラ。岩石が集結して怪獣になるゴルゴス。あらゆるエネルギーを吸収する、巨大な風船状の怪物バルンガ。ロボットでありながら、生物的なデザインのガラモン。
極めつけは、デザイナー成田亨が、ピカソのキュビスムを取り入れてデザインしたという、ケムール人でしょう。未来の時間から来た宇宙人のデザインに、モダンアートの要素を取り入れるという斬新性。
ここにおいて『Q』怪獣の設定やデザインのバリエーション、自由度は、東宝怪獣のそれを越える領域に、達したと言えるかもしれません。

その一方で大映の『大魔神』の尋常ならざる凄みや、『ガメラ対バルゴン』での、バルゴンの生々しい生物感の表現も素晴らしく、一方の雄として、十分すぎる存在感を発揮していましたね。

怪獣量産時代は、この後『ウルトラマン』『マグマ大使』と、さらに本格化していきます。
それについても、機会があったらとりあげたいとは思っています。






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