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それぞれの思惑へ VIVANT4話

さまざまな人物の素性がやっと輪郭をもち始めた4話。
視聴後には手に汗を握りながら、やっぱりこの作品面白すぎると感嘆する。

いくつかの軌道修正が図られた。
まずは、野崎から見た乃木の立ち位置について。
野崎自身、乃木が「別班」ではないかとどこまで疑っていたのかが、ひとつの疑問だった。しかし、今回、野崎の中でその疑いは確信とまで一気に駆け上がってきた。

思えば、バルカ共和国からの脱出の過程で、野崎は乃木の経歴を公安の部下に調べさせていた。その結果、変な経歴はなかったと、乃木や柚木らに伝えいている。一方で4話で明かされた経歴は、表向きの部分もあるが異様だ。バルカで行動を共にしていた中で、乃木の正体については疑いの域は出ないものの警戒はしていたのであろう。ただ、乃木を「別班」として認識するにはあまりにも人物像がかけ離れていたために、それほど疑ってはいなかった様子。それが今回の4話で急速に「別班」としての乃木の核に切り込んでいくスリルがたまらない。

4話では乃木ら「別班」、公安、テントそれぞれの組織がそれぞれの目的のために向けた動きが同時に進行していく。野崎は乃木の正体について追う。バルカから京都、そして島根県へ。全ては「ミリタリースクール」に通い、成績も全て最高評価だったことから、疑惑がクロに変わる瞬間から始まった。
バルカでは、数日前には敵対していたバルカ警察・チンギスと結託し乃木のもう一つの顔に迫っていく。アマン建設の跡地では爆破前に野崎が身につけて以降、無くなったままだった小型カメラを回収。カメラのみ丸め固められた土で覆われていたのはご都合なのか、誰かが意図ある攻防なのかはわからないが、乃木が野崎の銃声と同じくしてザイールの右手を撃っていたことが明らかになる。
さらに、ドラムが盗聴器を乃木のカバンにつけたことも見抜いていたことも、防犯カメラでわかった。
野崎らはこの時ようやく乃木の正体に近づいたが、乃木はこの時から野崎たちを警戒していたのか。

そして、バルカを再訪したのは野崎だけでない。乃木と黒須は、自身らをマークした野崎の動きを探りながら、「テントの最後の標的は日本」という山本の言葉を頼りにテントの主犯格の情報にたどり着いていた。
乃木と黒須のタッグはおぞましいほどに、最短距離で真実に辿り着く。どんなやり方でも非情さでも厭わない。全ては日本のためという目的のため。熱いな。

乃木の華麗な手捌きにも魅了された。
アリの行動や事情を探るため、G F L社アリに社内で面会した目的は全く別の目的があったのだ。乃木はアリの目を盗んで、スマホの情報をコピー。そして、アリのスマホをすり替えていたのだ。そもそもこの時点でアリを追いかけていたとは、それもそのはずか。
そして黒須の変装がうますぎる。’’やけに座っている浮浪者が入る不思議なカットだなー’’と思えば、「それ黒須かい!」みたいな。カット割からの伏線回収も楽しい。

テントのマークと乃木家、乃木とテント・・・
これらの関係が、地道な野崎の足取りと圧倒されるほどの「別班」の尋問で、紐解かれていくことになる。この2者の緩急ある手法と展開がまた、魅了される。乃木と野崎、次対面する時はお互いどんな顔をしているんだろうか。

そして多分、ジャミーンと乃木もなんかある。だって最後の会議・・・もう全部信じられなくなりそうでもう楽しすぎる4話だった。





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