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『世界は五反田から始まった』駅広告が設置されました!

どうもこんにちは!ゲンロンのアルバイトスタッフの青山俊之です。どうにも不穏な情勢が続く昨今です。先日、そんな話をぽろっと友人に話したところ、「いつの時代もなにかしら不穏なんだろうけどね」と返され、その達観ぶりに思わずクスッとさせられました。

不穏な社会でも「生きる知恵」、あるいは「不幸な出来事があった後に上手く生き延びる知恵」を継承する書籍がゲンロンから出版されました。その書籍、『世界は五反田から始まった』は、著者・星野博美さんの祖父が残した手記から五反田の町工場を営む家族史をたどったノンフィクション作品です。その手記には、かつて五反田を襲った「もうひとつの東京大空襲」を生き延びた記録が記されていました。星野さんの故郷・五反田を掘り下げる中で出くわす歴史の影、そんな私的な物語と公的な歴史の交叉がタイトルの「世界は五反田から始まった」に込められています。

いかにして「もう一つの東京大空襲」を介した「生き延びの知恵」が紡がれたのかは、ためし読みが掲載されている特設ページ、またはそのためし読み内容を紹介したこちらの記事をぜひご覧ください。

さて、書店発売に続き、7月20日から『世界は五反田から始まった』の駅広告も五反田駅に設置されました!

『世界は五反田から始まった』の刊行に合わせて、これまでさまざな企画が実施されています。7月15日(金)には、ゲンロンカフェのトークイベント「星野博美×上田洋子:すべての道は五反田に通ず──町工場から見た戦争と戦後」が実施されました。

イベントの来場者には、電柱広告アクリルキーホルダーのプレゼントしています。電柱広告アクリルキーホルダーとは、7月末ごろから五反田に設置される電柱広告をキーホルダー化したものです。今回、多くの来場者のみなさんから好評をいただき、来週からゲンロンカフェのイベント開場にて数量限定で販売する運びとなりました!
※販売開始時期は遅れる場合もあります。

21日の本日には、品川経済新聞にて星野さんへのインタビュー記事が掲載されています。記事では、星野さんの作家としての経歴や書籍の内容が短く要約されています。

さらに、今週土曜の23日には毎日新聞朝刊「今週の本棚」にてフランス文学者である鹿島茂さんによる『世界は五反田から始まった』の書評が掲載されます。フランス文学者の鹿島茂さんは、雑誌『ゲンロン12』の「特集:無料とはなにか」に「無料はパリから始まった 1836年の広告革命」を執筆し、現在、動画プラットフォーム「シラス」では「鹿島茂のN'importe quoi!」と題したゲンロン運営のチャンネルを開設しています。放送内容をおさらいするnote記事も投稿されていますので、ぜひそちらもご覧ください。
※ちなみに、「N'importe quoi」はナンポルト・クワと読み、話す対象を限定しない、つまり「なんでも!」という意味です。

ところでですが、『世界は五反田から始まった』の駅広告箇所にこれまで設置されていた看板がこちらです。

ひとは、ひとであるために、等価交換の外部をいつも必要としている

実は、このことばは2018年公開の『ゲンロンβ』第32号掲載、「運営と制作の一致、あるいは等価交換の外部について――観光客の哲学の余白に・番外編」に掲載されている東浩紀の文言です。こちらは、『テーマパーク化する地球』(2019年)にも掲載されています。改めて、この論考を読み直していたのですが、今なお、アクチュアルな問題提起として響いています。いずれ、この「ゲンロンの楽屋から」で触れられれば。

それはさておき、『世界は五反田から始まった』の駅広告は特に期限なく掲載される予定です。五反田駅に訪れるより多くの新たな読者のみなさんに届くといいのですが……この記事を読んでくださったみなさんにも、ぜひ本書籍の面白さを広めていただけるとうれしいです!では、今回はこの辺で。

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