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中学受験をしないという選択 #2 進路について

前の記事(https://note.com/genomeboy/n/n6917e28982a8)の続き。「中学受験はコスパ悪いよね」の議論をしています。この記事では、中学受験を経ない進路について議論します。

中学受験をしない進路:公立中学

じゃぁ結局進路はどうするの?については、我が家(女子)が想定しているのは、普通に地元の公立中学行って、そこから都立高校受験です。

公立中に進学するというと、公立中は「荒れるかも」という心配をする向きもある。これについては、地域性があると思う。正直、僕も中学時代は「ヤンキーだらけ」な東京の郊外地域(狛江市の南側)の公立中を出身したので、その不安はよくわかる。でも、幸いにも中央区はそういう「ヤンキーだらけ」なエリアはたぶんない(個人の感想です)。とはいえ、中央区でも陰湿なイジメとか、変な教師がいないとも限らない(でも、陰湿なイジメは私立中学でもたぶんあるし、発覚を恐れて学校がまともな対応しない、というのは私立も公立も同じなんじゃないかと思う)。なので、居住エリアの公立中学が荒れてそうならば、「良さそうな地域に引っ越す」というのが一番簡単な解決手段でしょう。

それから、内申点はどうか?これは多くの公立中学生の親が心配することで、教師の一存で決まる内申点制度は大きな問題があると個人的には思う。内申点は都立高校受験の合否の一部を担うわけだから、公平性や客観性については心配することは多い。とはいえ一つ言えることは、トップ都立高を目指さない限りは、さほどの影響力はない気がする。後で議論するように、実はトップではない二番手三番手の中堅都立高のコスパは結構良い。だから、内申点にそれほど振り回されることなく、最終的に都立の共通問題でしっかり合格点を出せれば問題ないと思う。

中学受験をしない進路:高校受験

女子生徒の場合、気になるのは「女子の足切り」問題。この男女平等の時代にも関わらず、都立高校は長らく男女在学生比バランスを優先してきたので、特にトップ高校の場合は男子よりも厳しい点で足切りされるケースがあった。なおかつ、女子が高校から行けるトップレベルの私立高校が男子よりも少ない、という現実的問題もある。「だから女の子こそ中学受験しようよ」的な言説は、正直一理あるとも思う。

しかし最近は、男女平等の観点から純粋に性別に関係なく点数で合否を決めるべきだ、という意見が増えてきたようで、娘が高校受験する頃には点数のみの合否決定が当たり前になっているんじゃないかと思う。

さて、じゃぁどういう高校がいいのかだけど、東京では私立校も無償化されつつあるので、まぁ行きたいところ行けばいいんじゃね、と思う(良い加減ですいません)。勉強を重視したいならバリバリの進学校行けばいいし、それなりに青春とバイトを謳歌したいなら渋谷とか繁華街の近くの学校に行けばいい。制服が可愛い、で選んでもいい。個人的には、トップ難関高(独自問題を作るレベルの都立高校)を目指すと中学受験と同じくややコスパ悪そうなので、都立の二番手三番手校に行って人生の幅を広げた方が良いような気がする。大学進学だけが人生ではないし、かといって有名大学に行く同級生が一人もいない、というのも微妙なので、二番手三番手校くらいが丁度いい気がする(もちろん、これは親の勝手な妄想で、選ぶのは子供だ)。

さて、コスパが良い都立高とはなんだろうか。例えば、トップの日比谷高校はどうだろう?全国の公立高校で東大進学者数トップを独走する姿は、かつての旧制学校時代を彷彿とさせるものだろうか。。。というのはちょっと微妙である。トップ5以下の私立中学に行くよりかはコスパは良いと思うけど、東大や国立医学部に行かない人生を歩むほとんどの学生にとっては、コスパは悪い。もっとゆるい高校受験をして、もっとゆるく青春を謳歌しつつ、なおかつアルバイトもしつつ、そこそこの中堅国立や有名私立大学にいける高校は他にもある。また、別に現役合格しなくても、浪人をするという道もある。そもそも、「大学に行かない」という選択もある。偏差値の高い高校に行けば全て良い、というものではない。なので、都立の場合は独自問題の無い通常試験の中で上位校(その中から自宅に近い)を目指すのがコスパの良い選択なのではないか、と思う。

中学受験をしない進路:大学受験

そもそも多様な進路がありうるので、これはあくまでそこそこの中堅大学を志望する場合はどうする?、というケースの話。

さて、東京都民にとって大学受験で子供に行ってほしい大学は、東大か?否。これからは、東京都立大学ではなかろうか。2024年から都立大は親の収入によらず、無償化された。もう、都民なら問答無用で都立大に行ってもらう、というのが大多数の親の願いではないだろうか。もちろん、子供が3人以上の家庭の場合、最初の子供には国からの補助金もあり実質無償化らしいので、最初の子供は別の国立大学でもいいかもしれない。

というわけで、都民にとって行かせたい大学は「都立大学」、あるいは都内から通える中堅の国公立大学であると勝手に仮定して、その辺の受験についてちょっと議論してみよう。

国公立大学や共通テスト利用私大を受験するときにまず確認することは、「合格最低点」を調べることだ。よく誤解されるけど、偏差値は重要ではない。繰り返すが偏差値は全く関係ない。志望大学の合格最低点を越えれば合格できる。受験はシンプルで、別に全国の受験生を母集団とした自分の学力の統計的位置関係を把握する必要はない。

そして合格最低点を超えられるかどうかを評価するのは、模試ではない。学校の定期テストでもない。共通テスト(過去のセンター試験)の過去問である。その問題をどの程度解けるかどうかが重要で、過去問を何度も解いていけば自ずと本番で何割程度取れそうかという感覚も養われていくものだと思う。

そして、都立大を含む中堅の国立大学(都内から通学できるところでは、農工大、電通大、海洋大、学芸大、県外では埼玉大)は合格最低点が共通テストで65~75%程度である。それなりに1年間集中して勉強すれば、共通テストで70%を取ることは中学受験に3年間を捧げるより遥かに楽ちんだと個人的には思う。仮に落ちても1年浪人すればまぁまぁ受かるだろうレベル。実際、中堅以上の都立高校(偏差値でいうと60以上)から都立大や中堅国立大に合格する学生も多い。参考までに、下図は令和6年の都立狛江高校の進学実績を示す。都立大の現役合格14人を含む国公立大合格者33人という数字は、お世辞にも「難関高校」とは呼ばれない東京の端っこの中堅の都立高校にしては、進学実績は悪くないのではないか?(少々自虐的に書いてるのは、一応母校であるから)

あなたはもし、自分の子供が中学受験で「難易度中程度」の私立中に入れたとして、この狛江高校を超える進学実績が期待できるだろうか?もし、同程度、あるいは期待できないとしたら、あなたにとって中学受験のコスパは悪いはずだ。


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