【ひきこもり卒業💚…ウォーキング①】
15年近く<閉じこもり>状態が続いていた
30代女性Aさん。
お宅にお邪魔しても部屋の中にいて、めったに会うことはない。
お母さんに聞くと、
「昼夜が逆転しているし、
いつ起きているのかでさえわからない。」
お母さんはお勤めして、夜遅くなることもあるから、
食事の用意をして出かけると、食べてある。
お母さんと2人暮らし。
お母さんと会うのは、夕飯のときだけ。
お母さんが嫌いな訳では無い。
体調がいい時は、お話大好きなので、
よく話もするという。
小さい時から知っているので、
たまに会うと、挨拶もできるし、おしゃべりもしてくれる。
人にはとても気を使うし優しい気持ちを持っている。
でも、家から出られない。
つまづきは中学生のころからだった。
学校に行ったり行かなかったり、何回か繰り返した。
公立高校に入学して、生徒会の役員もするほど、
成績は良い。
しかし、高校も最後は行けなくなってしまった。
アルバイトをしたり、外に出る努力は何回もしていた。
しかし続かない。
以前、お母さんが体調不良になった時に、
お母さんを病院に連れていくため、
何回も挫折しそうになりながら、運転免許をとった。
でも、何が原因なのかわからないけれど、
外には出られなくなってしまった。
特に、コロナの自粛生活。
家の中にいるから、当然のように体調が悪くなる。
風邪もひきやすい。
腰が痛い、肩こりが酷い、耳鳴りがする、周りが歪んで見える、
めまい、太り気味••••••。
不調の箇所もどんどん増えていく。
お母さんの体調も、比例するように悪くなり
2人であちこちの病院通い。
そんな時突然、
「お母さんが、脳出血で入院しちゃった」
と。
「私のせいだ。お母さんに頼りっぱなしで何にもしようとしなかった」
と言いながら涙ポロポロ。
私もショックだったけれど、
一緒に泣くわけにはいかなかった。
幸いなことに、マヒは残るかもしれないけれど、
命に別状はないとのこと。
『Aさん、お母さんが退院するまでに
体力つけよう。これからはあなたがお母さんに恩返しする番だよ』
『明日から、一緒にウォーキングしよう』
と誘ったら、
『やってみようかな』と
返事が返ってきた。
まずは、家から1歩出ることから始まった。