世界が予測しやすくなった(2):違法移民
トランプの基本姿勢
トランプの勝利宣言を見ていると、本人も選挙に勝利すると思っていなかったことがわかる。スピーチの内容を全く考えていなかったようだ。
トランプが合衆国憲法を改定しない限り、第二期の4年間しか君臨することはできない。失うものがないので、自分がやると宣言したことは形だけでもやっているふりをすることが予測される。
アメリカファーストの姿勢が揺らぐことはないだろう。基本的には、大きな支出をできる限りなくし、収益を増やすことだけに注力するだろう。
移民問題:
問題は存在しない
違法移民問題は、共和党も原則として存在しないと認識していると思われる。黒人もヒスパニックも、農業や建築などの肉体労働に就きたいとは思っていない。そもそも雇用者側に賃金を安く抑えるニーズがあるから違法移民なしでは人手不足になるからだ。そのため、アメリカはこれまで党に限らず違法移民の就労を容認してきた。急に違法移民がいなくなると、食糧生産や住宅の建築、道路工事などのコストが急速に嵩み、景気に影響する。特に現時点では非常に危険だ。
さらに、トランプ氏は第一期目の4年間で国境の壁の2%しか建設しておらず、全く壁の効力は発揮されていない。メキシコがその費用を負担すると公言しているが、1セントも負担されていない。
違法移民の問題点も根拠のない嘘だらけで、共和党員にさえ批判されている。
壁の建築には多大な費用がかかるし、違法移民の強制送還はさらに大きな費用がかかる。公約を守っているように見せるため、壁の建築も強制送還も形だけは進んでいるように見せかけるだろうが、経済にマイナスなのは明らかで、自分が握りつぶしたバイデン政権が通そうとした移民の法案を通して、自分の成果であるように見せかけてあとは何もしないと推測される。
最終的には
違法移民にはある程度の圧力がかかるだろうが、アメリカファーストを考えると完全にいなくなることは考え難い。