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刃物を印象で研ぐ

祖父の包丁研ぎ

僕の祖父は若い頃に18年アメリカで生活した。ベーブルースが現役の頃だった。

家系のせいか、色々なことにこだわる性格をしていて、僕も祖父から少なからず影響を受けた。

その一つがゾーリンゲンナイフだった。ドイツのゾーリンゲンという街では、日本よりもずっと早い時代から鋼が硬く非常によく切れるナイフを作っていた。祖父はそれが大好きで、何本も持っていた。

僕の母も祖父からゾーリンゲンの包丁を一本プレゼントされていた。

祖父は、定期的に田舎からうちに遊びに来たが、包丁を一本残らず研いでいった。

母は、包丁があまりに切れるようになって怖いと文句を言って笑われた。

僕も研ぎ方を見せてもらったが、滅多なことでは研がれていないうちの包丁は、荒砥からスタートして中砥、仕上げ砥と磨きを進めていった。

最後に新聞紙でざっと刃の表面を擦って終了する。

刃物研ぎへの憧れ

アメリカに行って、料理をするようになってからずっと僕も包丁を研げるようになりたかった。

帰国してから、早速砥石を三種類買ってきて試してみたけど、あまり頻繁に真面目に研ぎすぎて包丁が縮みすぎて困った。

しかも、荒砥と中砥は砥石自体が擦れて変形していく。

そこで考えた。仕上げ砥だけで研いでみたらどうなんだろうと。

すぐにはよく切れるようにならないが、プロの料理人がやっているように、一日一回ずつ研いでいたら、しばらくしたら非常によく切れるようになる。

しかも、仕上げ砥では細かい傷も残りにくく、砥石が硬いので変形もしにくい。

鏡面仕上げはできるか

これに味を締めて超仕上げ砥を買ってきた。包丁を鏡面仕上げにしたかったからだ。

最近は調理もあまりしていないので、出番がなかったが、そろそろ毎日研ぎ始めようかと考えている。刃の近くしかピカピカにならないので鏡面仕上げは断念したが、一本一分程度毎日研ぐと、常に切れ味のいい包丁を使えるのが嬉しい。

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