【読書記録】渡辺淳子『近江寮食堂 』
渡辺淳子『近江寮食堂 』読了しました。2024年8月現在、全3巻。
私も関西人なので、妙子さんの話し方に親近感を覚えました。そうそう、~ねん、~やで が関西弁の全てとちゃうんやわ。食べ物の描写も丁寧で好きやで。読んでる間はほぼ毎日和食メニューにしたったわ。
あらすじ
主人公 妙子は定年前に溜まった有休を消化し、滋賀から上京。10年前に失踪した旦那を探すため、妙子は谷根千にある県民食堂”近江寮”で食堂を運営しつつ、行方を探る。
近江寮の食堂運営を通して、妙子は生きること、食べることとは何か、人の縁とは何たるかを再確認する。
今のところ旦那と復縁はせず
しなくて良いよ!(大声)
10年前に食堂の運営方針で仲違いして失踪、今は専門医に見てもらわなきゃいけないレベルのアル中。場合によっては近江寮に泥酔状態で訪れる。(ファインプレーの時もあるのが かえって厄介)
せんでええよ!(2回目)
しかし妙子さんの気持ちを考えると、迷ってしまうのは仕方ない。10年心配し続けて、ようやく会えたのだから。(もっと続編書いて欲しいからこのままで良い)しかし妙子さんの方が運営スキルが高いとなると、旦那さんのプライドがポッキリいってしまう可能性が高い。現実問題、距離を取っておいた方が良好な関係でいられそう。好きだからって、常に一緒が最適解ではないのです。
和食が恋しくなる
お恥ずかしながら、滋賀の郷土料理は鮒寿司と赤こんにゃくしか知らず、あんまり美味しいと思わへんのよね〜なんて思っていました。特に鮒寿司は作中でも言っていましたが、匂いのクセが強過ぎる。私、大の日本酒好きなのですが、鮒寿司を肴にはまだ飲めない…。
しかし妙子さんは、滋賀の食材を上手く他の食材に馴染ませちゃいます。鯖そうめんに粉チーズをかけて、ほんのり洋風に仕上げる大胆さ。いや、最近のそうめんはキムチとか味の濃い物が出始めてるから、実は時流に乗ったトッピングなのかも。
初めは寮生に向けた食事でしたが、口コミが広がり一般層にも大ウケ。2巻、3巻では宮崎や青森の郷土料理も登場します。メディアミックスして世間でウケまくって、その利益でコンセプト食堂やって欲しい。