立正安国論 私的現代意訳①
第一問 旅客の嘆き
「21世紀は希望あふれる時代だと思っていた。20世紀を教訓にして、あらゆる差異を乗り越え、世界中が地球的問題群に一緒になって立ち向かっていくと信じていた。しかし、21世紀開幕の年に9.11が起こったのをはじめ、各地で大規模災害が頻発し、さらに再冷戦ともいえる状況に各地の内乱や地域覇権を目指す組織が再活性化している。宗教団体はじめ各平和団体は世界平和を訴えている。政治団体も改革を掲げる。経済界も技術革新や経営革新を唱え、教育界や学術界も新たな試みに取り組ん