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のらポス6

詩誌「のらねこポスト」第6号ができました。

最新の「りりぽす文芸部」やメンバーの詩(今回はキユナハルカの3編)、みゃっちの時評、近代詩を紹介する「もだん★りりっくす」(今回は三好達治の「私の猫」という詩です)など。

のらポス現代詩AWARD!


巻頭は のらポス現代詩AWARD2026 です。
のらポスは、ツイッター(X)でみゃっち(四之宮オイミャコン)が投じたハッシュタグに呼応し、ポストしていただいた詩から若干数を投稿コーナー「りりぽす文芸部」に掲載させていただいています(メールでも受け付けています)。

掲載作のなかから、この1年間で最も素敵だった作品をのらポスメンバーの合議で選出し、紙上でたたえさせていただく趣旨です(紙上企画なので贈呈式、賞状副賞などリアルなイベントは起こりません…)。

第1回のグランプリは 藤野栞さん。
のらポス2号に寄せていただいた「光の干渉」、とても素敵な作品でした。
準グランプリは 璃瑠(RIL)さん、よしおかさくらさん のお二人。
佳作は ふるいはさみさん、ヘリオライト涼華さん、中星詩生さん、文雨伽奈さん、.komさん、cofumiさんの6人です。
みなさまの作品、再掲載させていただいています。

りりぽす文芸部は12作品m(__)m

ちなみに「りりぽす文芸部」、今回は12作品を掲載しています。
掲載作のなかから、ほたる/森実弥子さんの「灰色の雨」という作品をご紹介します。

灰色の雨
     ほたる/森 実弥子 @0890Silvergirl

灰色の雨は
世の中の
醜いものに幕を張って
音もなく降る

薄く
昔のエレジーが聞こえてくる
私は優しく
包まれる

ああ温かいな
ひとりきりでも
少しも怖くない

いつまでも濡れていたくて
黙って
南京櫨の木と一緒に
立っていた

「りりぽす文芸部」/「のらねこポスト」第6号

梅雨時に色づくナンキンハゼの花にしとしとと雨がおりてくる静かな情景と、そこにリンクする赦しのような心情が浮かぶ、印象的な詩ですね。
今回はこちらの作品を含め、次の方々の作品を掲載させていただきました。

ふるいはさみさん「猫背」
文雨伽奈さん「爪とぎ」
綿帽子さん「爪とぎ」
ヘリオライト涼華さん「爪とぎ」
璃瑠(RIL)さん「爪とぎ」
尾崎ちょこれーとさん「しっぽ」
神崎翔さん「父のピアノ」
鴉さん「毛繕い」
ももこさん「夜行性」
星影流さん「月想」
cofumiさん「世界は愛だ」
ほたる/森実弥子さん「灰色の雨」

「りりぽす文芸部」/「のらねこポスト」第6号

心に響く作品をお寄せいただき、ありがとうございます。
紙幅の関係で全ては掲載できませんでしたが、掲載作以外にも素敵な詩がたくさん寄せられました。ありがとうございました。

時評は奥山紗英さん、現代詩手帖

そして、みゃっちの時評は、南日本文学賞の詩部門を受賞した奥山紗英さんの詩編「破片ちゃん」(南日本新聞掲載)について。

 平易で読みやすいが硬質な叫びが内在する詩編だ。労働という行為を通して社会に組み込まれていく人間のありようが描かれており、プロレタリア詩にも通じる叫びと抵抗があるように思う。近代の労働者がおかれた環境は現在とは違うだろう。かつては奴隷扱いというべき使役が横行し、労働者は文字通り使い捨てられ、疲弊していた。現在は労働者の権利が確立されたとされている。しかし派遣労働の解禁や非正規雇用の拡大と雇い止めの横行、実質賃金の低下など、この三十年間、日本の労働環境は悪化の一途だった。使役する側(やその取り巻き、為政者ら)による資本の囲い込みを完全に防げるようにはなっていないのだから、労働による社会参画がもつ本質(人間がモノとして扱われる)は百年以上の時を経ても、さして変わらないのだろうということを考えさせられた。

 また「バーチャル総務部」という詩には叫びだけではなく、切り刻まれて肉体すらそぎ落とされて、それでも失われない人間らしさを感じさせる。その意味で、これらの詩編には諦めではなく「抵抗」がある。抵抗は希望であるということを感じさせる点でもプロレタリア詩に通じていると思う。

四之宮オイミャコン「労働と詩、状況と詩」/「のらねこポスト」第6号

というような感じで、みゃっちが奥山さんの詩の一部を引用しつつ、評しています。ほか、ドゥルス・グリューンバインさんのイベントについて報じた「現代詩手帖」2月号の特集についても言及しています。

ちなみに今回、発行は一週間遅れになりました(土下座)。源は春先からしばらく精神的にも体力的にもしんでいたのですが、脳内でドーパミンを絞り出すなどエアドーピングによってなんとか乗り切りました。いま反動でいくらでも寝れる状態になっていますので、次号の制作にはなかなか取りかかれずにおります。ニーズのない近況報告失礼しました。

のらポス、前の号も「りりぽす文芸部」など掲載しています。
以下からどうぞ。

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