【こぼれ話003】カイの孤立を描くアムロの視線!?〜機動戦士ガンダム第7話「コアファイター脱出せよ」感想
名前を挙げてもらえないカイ
ハヤト「心配じゃないのか?」
アムロ「何が?」
ハヤト「君の一番仲良しのフラウ・ボゥが人質にとられているんだぞ、少しは気になって」
アムロ「ハヤト、ブライトさんもミライさんもセイラさんもリュウさんもいるんだ。ホワイトベースのことは任せられると思ってるよ。僕は自分のできることをやるだけだ」
避難民が暴動を起こし、フラウボウが人質に取られたのに心配じゃないのかとハヤトに問われるアムロ。
アムロは「みんないるから大丈夫、自分は自分にできることをやるだけ」といって出撃準備に入る。
このシーンよく見ると、アムロはカイの名前をあげていない。
「ブライトさんもミライさんもセイラさんもリュウさんもいるんだ」と長々と時間をかけてクルーの名前を列挙するが、カイが入っていない。
アムロが言い忘れたという解釈もあり得ないではないだろうが、ここでの演出意図としてはやはり「カイを除外するため」というのが説得的だろう。
つまりアムロの中ではカイはホワイトベースのクルーとしては頼りない、信頼できない存在ということだ。
カイを一瞥するアムロ!?
さらにこのシーン映像で確認すると、アムロの視線が左方向に移動する瞬間がある。
最初に見たときからこの視線移動が気になっていたのだが、果たしてこの視線移動の意味は何なのか。2パターン考えてみた。
1つはブライトとミライの方を見ているパターンである。「ブライトさんもミライさんも・・・」と言っているタイミングで視線が左方向に動くのでブライトやミライの方を見ているとしても不自然ではない。
しかし、何度も見返したが、ブリッジ内の構造や人物の厳密な位置関係がよくわからなかったので、ブライトとミライの方を見ているのかは確信が持てなかった。
もう1つのパターンとしてカイの方に視線をやったのではないだろうか。カイの方にチラッと視線をやったのであれば、これまでのカイの言動にイライラしたアムロが意図的にカイを除外しているという解釈で間違いないだろう。
こちらの記事でカイが孤立し浮いた存在になっていると述べた。このシーンはそうしたカイの状況をアムロのセリフや視線で描いていると解釈できるわけだ。
どちらのパターンも可能性としてはありうると思うが、後者の解釈の方がアムロの人間性が滲み出ているようで個人的には好きである。