抗体医薬、アレルゲン免疫療法、アレルギー性鼻結膜炎など

分野・疾患を問わずに最近の報告などを羅列しています ^^;

<抗体医薬>

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34256031/
TSLP阻害薬であるTezepelumabの成人・中等症・重症喘息への作用機序の検討:tezepelumab群がプラセボ群に比べて気道粘膜下好酸球のベースラインから治療終了までの減少量やマンニトールへの気道過敏性の低下幅はテゼペルマブの方が大きかった
Lancet Respir Med 2021 July 10

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34023009/
Upadacitinib(JAK阻害剤)と外用ステロイドの併用療法の中等度から重度のアトピー性皮膚炎に対する効果と安全性を見た第3相試験:16週目でEASI-75を達成した患者の割合はupadacitinib 15mg+外用ステロイドで65%、upadacitinib 30mg+外用ステロイドで77%でありプラセボ群の26%よりも有意に高かった
Lancet. 2021 May 20

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34016636/
51歳男性。経口ステロイド依存性好酸球性喘息であり、NSAID不耐症、鼻ポリープ、慢性鼻副鼻腔炎、慢性特発性蕁麻疹を合併。メポリズマブのSuper-responderであったが、抗ヒスタミン薬投与下でも慢性特発性蕁麻疹増悪があったため、6ヶ月後にオマリズマブを追加投与したところ、蕁麻疹は顕著に改善(米国)
BMJ Case Rep. 2021 May 20

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34175498/
特発性アナフィラキシー(IA)35例へのオマリズマブ効果の後方視的検討:完全奏効22人(63%)、部分奏効10人(28.5%)非奏効3人であり、オマリズマブはIAに有効な治療法と考えられる(米国)
Ann Allergy Asthma Immunol. 2021 Jun 24

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29242014/
4-15歳を対象としたオマリズマブと食物経口免疫療法を併用効果検証Phase2試験:36週目に、オマリズマブ投与群は対象食品2gのタンパク質摂取チャレンジ陰性の者が多く(83% vs 33%)、重篤な有害事象はなかった(米国)
Lancet Gastroenterol Hepatol. 2018 Feb

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27003835/
鶏卵と牛乳に対するオマリズマブ併用経口免疫療法を行ったのち、オマリズマブを中断すると再度食べられなくなってしまう方もでてくる(スペイン)
Pediatr Allergy Immunol. 2016 Aug

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33838339/
オマリズマブ投与患者のうち、13種類のアレルゲン評価が完了した患者(N=478)を対象としに増悪率、肺機能および喘息関連QOLの改善を評価:アレルゲン感作の数や種類にかかわらず、各指標の改善率は同等であった。
Ann Allergy Asthma Immunol. 2021 Apr 7

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33835593/
オマリズマブ投与中の重症牛乳アレルギー患児を対象とした経口免疫療法の実生活での評価:70%にアナフィラキシー、81%に喘息あり。オマリズマブ投与中止後も脱感作ができたが、中止によりアナフィラキシーが起きやすくなる(スペイン)
Pediatr Allergy Immunol. 2021 Apr 9

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33782956/
オマリズマブ併用Multifood Oral Immunotherapy(mOIT)の第2相試験:オマリズマブ単独導入期後にIL4+抗原反応性CD4+T細胞の割合の減少、抗原反応性CD8+ T細胞の増加有意な上昇、IL-17の減少、アレルゲン成分特異的IgG4/IgE比の増加などがおきる(米国)
Allergy. 2021 Mar 30

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33716077/
オマリズマブ治療中の特発性蕁麻疹患者において、FceRIに対する自己抗体が存在すると好塩基球が減少しなかった(米国)
J Allergy Clin Immunol. 2021 Mar 11

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33683704/
鼻ポリープ・慢性鼻副鼻腔炎(CRSwNP)に対する生物学的製剤の有効性と安全性を標準治療と比較したシステマティックレビュー。
デュピルマブ:手術必要性低減、経口ステロイド減少、嗅覚改善
オマリズマブ:手術必要性低減、経口ステロイド減少、嗅覚改善
メポリズマブ:手術必要性低減、嗅覚改善
レスリズマブ(本邦未承認):現時点でエビデンス不確実
Allergy. 2021 Mar 8

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34144111/
メポリズマブを投与している18名のアスピリン増悪性呼吸器疾患(AERD)について臨床的特徴や尿中および鼻腔内のエイコサノイドレベルを測定し、メポリズマブを投与していない18名のAERD患者と比較:AERDにおけるIL-5の阻害は、炎症性のエイコサノイドの産生減少など複数の免疫関連細胞への作用があることが示唆された。J Allergy Clin Immunol. 2021 Jun 15

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34038773/
メポリズマブのリアルワールドでの有効性検証試験:639人でアトピー性疾患(73.2%)、呼吸器感染症(55.6%)、慢性副鼻腔炎(45.1%)などの7つの併存症サブグループすべてにおいて増悪が4-8割減少した(P<0.05)(米国)
Ann Allergy Asthma Immunol. 2021 May 23

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34085508/
ベンラリズマブ投与患者ではQOLが改善し、その改善度合いは喘息コントロール状況(ACTスコア)および肺機能の改善と相関した。
Eur Ann Allergy Clin Immunol. 2021 Jun 4

<アレルゲン免疫療法>

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34246208/
小児患者におけるダニ舌下免疫療法(SLIT)開始時期の副作用の調査:4週間で217人(年齢中央値8.4歳)のうち111名(46.5%)の患者に副作用が発生したが,喘息の有無で副作用の頻度の差はなく、また副作用への忍容性は良好であった。(名古屋市立大学小児科)
Asian Pac J Allergy Immunol. 2021 Jul 11

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34128758/
舌下免疫療法は、ダニのアレルギー性喘息患者において、アレルギー性鼻炎の症状を軽減し、追加の薬物治療の必要性を減らし、中等度および重度の喘息増悪回数を減少させるため、投与が推奨される(スペイン)
Expert Rev Respir Med. 2021 Jun 15

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34122718/
COVID-19パンデミック前のSCITのアドヒアランス率は56%。パンデミックが始まると、約4分の1の患者が脱落したが、その理由のほとんどは、病院での感染を恐れたためであった(トルコ)
World Allergy Organ J. 2021 Jun 8

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34029713/
アレルギー性鼻炎(AR)への舌下免疫療法(SLIT)のレビュー:季節性AR(樹木花粉、イネ科花粉)または通年性AR(ハウスダスト・ダニ)に対して、SLITは症状と必要な薬を大幅に減らし、生活の質を改善する安全で効果的な治療法である。
Ann Allergy Asthma Immunol. 2021 May 21

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33969495/
マウスおよび2つの患者コホートで荒れる現免疫療法(AIT)中のT細胞表面マーカーの発現を評価:①OVAアレルギーマウスではCTLA-4とPD-1が有意に上昇していた。②アレルギー性鼻炎患者のTh2細胞でもCTLA-4とPD-1の発現が増加し、喘息を併発している患者ではさらに強く発現した(ドイツ)
Allergy. 2021 May 9

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33611315/
小児のアレルギー性鼻炎に対して皮下免疫療法(SCIT)の安全性を検討した報告:
SCIT導入群の13.4%に副作用がありその多くは増量期。12週間以上になると複数臓器の副作用が増えたが、多くは軽症でありSCITは小児においても安全に行える(メキシコ)
Int Arch Allergy Immunol. 2021 Feb 19

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33662672/
アレルギー性鼻炎/喘息に対してアレルゲン免疫療法を行うに際し、モバイルヘルスケアツール(mHealth)であるMASK-airのデータをmHealthバイオマーカーとして効果予測に利用することができる可能性がある。
J Allergy Clin Immunol Pract. 2021 Mar 1

<アレルギー性結膜炎>

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34313088/
アレルギー性結膜炎(AC)のDELA基準分類と鼻炎・喘息との関連性解析:2,914人中965人(33.1%)がACと診断。1.8%、46.4%、51.8%が重症、中等症、軽症と分類され、51.6%、48.4%が間欠性、持続性と分類された。ACが単独で発症した患者は4%のみであり、主に鼻炎(88.4%)、喘息(38.2%)、食物アレルギー(8.3%)、アトピー性皮膚炎(3.5%)との併存がみられた。気道アレルギーでは鼻炎が先に発症し、喘息がその後に発症した。ACの重症度と期間は鼻炎の重症度と期間、喘息の重症度と期間と有意に関連(スペイン)
Eur Ann Allergy Clin Immunol. 2021 Jul 27

<アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎>

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33819512/
NSAIDs不耐症合併鼻ポリープには、慢性副鼻腔炎に合併した鼻ポリープよりも多くの好塩基球が含まれ(147±28 vs 69±20 cells/mg tissue)、前者では脱顆粒の指標となる2D7が増加していた(米国)
J Allergy Clin Immunol. 2021 Apr 2

KACJ-59x:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33049392/
通年性アレルギー性鼻炎患者108人で鼻噴霧ステロイドの頓用と連日使用をランダム化試験で比較:連日群では鼻閉、くしゃみ、鼻吸気流量が有意に改善したが、QOLスコアは2群間で同等。頓用群のステロイド使用量は約半分であった(タイ)
J Allergy Clin Immunol Pract. 2021 Mar

KACJ-59y:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33568922/
アレルギー性鼻炎(AR)患者の重症度はIL-17A、総コレステロール、LDL-コレステロールと正の相関があり、脂質異常症はAR症状の重症化と患者のQoLの低下に関与している可能性がある(エジプト)
J Asthma Allergy. 2021 Feb 4

KACJ-59z:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32636058/
好酸球増加があり好酸球性副鼻腔炎の典型的な所見がない場合にはEGPAを疑う(北大)
Allergol Int. 2021 Jan

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