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上都集 - 水惑星編 1

月の女王について語ろうと思うが、その前に込み入った思考実験をしてみよう。頭の柔軟体操だと思ってお付き合い願いたい。実は月は2つ在るという事実を話すと驚かれるだろうか。ここを目的地として話を進めよう。
おおよそ14日周期で訪れる新月と満月。新月期に表れる月は人の産み出した想念であるとしよう。新月はつまりは地球食であり真っ黒で見えない状態であるはずだからだ。そこには月周期計算上に在ることにされている月を覆い隠した地球の影のみがあると考えるのが自然だ。その時、真月は何処に在るのか。影が光の反対方向に出ることを考えると普通は太陽の対角線上に地球を挟んで存在すると考えるのだが、逆に、光が地球体に反射した太陽光線だという状態で正面に地球の影が表れるという反対の状況を考えてみようとすると月の居場所がなくなる。新月のその時月と地球が全く重なっている、とは現実的に思えないだろうが、否、これは不可能性を語る導入に過ぎない。普通に考えれば月に対して地球の反対側に太陽が存在しているはず。理論的に別の論法で新月状態の可能性を探ると、影と光の間に実体があるはずだが、むしろ地球の正面に太陽がある場合、光体は2つ在ることになる。そう考えると2つの光に挟まれた宙空点に影がある事になり、それを月とするとなると光と光が同時に正反対から当たったときは逆光効果が現れ、より光が強い方から弱い方へと逆光が差す。見えないはずの状態で見た状態が新月であるはずで、月と正反対に太陽がある状態と視覚的に近いことが解る。つまりこれは月が見えない状態、新月状態であると仮定する。と、新月には二種類あり、そう考えると満月にも2種類が存在しないと周期が合わなくなる。1ヶ月に1種類、2月目に2種類目の周期という事になる。
それをそのまま当てはめ想像するに正確に全く正反対にある2つの月が同軌道上を正確に、時計を刻むように旋回している事になる。その半分のスピードで太陽が廻っている様なイメージだ。視覚的に新月と満月が真黒と真光であるなら概ねそういう事になる。要するに新月用の月、満月用の月がある。
回りくどい言い方だが、
逆光となる場合は言うなれば太陽触、
つまりは月食と同時に日蝕である。
反対のときは地球食である。つまりは地球食のときはそこに月があるかどうかは確認できない。とすれば地球の影を中空に見ている状態である。

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そこでそのバージョンを削除しよう。そうすると逆光バージョンの日食しか残らないし、その状態は現実的にも視覚経験上もあり得ないが、満月は1ヶ月周期に減る。そうすると新月も1ヶ月周期になるはずで、更には中間の新月は机上の空論で存在しないという可能性が見えてくる。存在しないのに現象として起こるとは。つまりは月を透かした太陽が回転している、そして1ヶ月周期で正反対になる。
と考えると恐ろしいくらいの超スピードで太陽が廻っていながらコマ送りのように少しずつズレていくか、或いは地球から見る月と太陽が一直線に並んでいる状態の月食がデフォルトで少しづつずれていくか、という2パターンが考えられるが認識として後者のパターンが我々の知る現実に近似しているとは思う。が、太陽周期と月周期の関係性上、私は考えにくい可能性だと思う。何故なら正反対の状態である新月からの満月は少しづつずれて後に成立するならば誤差が開きすぎていると考える。その状態が自然となるならおおよそ新月状態は一瞬の数秒しか成立せず、ほぼ常に欠けゆく月が見えている状態が想像され、月の欠けゆく速度と周期上、同じ期間月が全く見えない状態と交互にあるはずの可能性と整合性が保てなくなる。つまりは想像上、可能性として有り得ないとして両方とも却下されるならば、そもそも私たちが月と考える月が存在しない、
(にも関わらず地球から太陽の反射を見ているのが満月という事になるのだが)
というパラドックスに出逢う事になる。満月は見えて新月は見えないという事実上、当然の帰結だとは思うが、満月は存在していて新月は存在していないとも言えるが、むしろ新月は視認できない。では一ヶ月周期の満月はどういった状態なのか。

想像に過ぎないが月は水蒸気なのではないか。水惑星として存在しているときに地球を挟み反対側に太陽がある、と考えると面白い。水惑星なら何処に太陽があろうと反射して正円に見えるであろうし、満月時にある太陽の位置がずれるほどに地球の影がずれていく事になる。
つまりは中間地点での新月は存在せず、その水分が地球に重なっている。つまりはそれが通常で、1ヶ月間太陽が当たることで
地球の水分が蒸発して反対角軌道上に衛星を作り出すとしたら。熱を加えると熱源の方向には蒸発せず反対側へ水蒸気となる。
つまりは夜になると見える、周期的に消えては表れる幻の衛星という事になる。太陽周期が正確なら幻の水惑星が現れる位置も計算上おおよそ正確であるはず。
詳しいことは分からないが、もしかしたら3ヶ月周期の水星が事実上の満月で、それ以外の満月は蒸発した水分が球体を成した姿で、そうなると我々が自覚している月は水星という事になる。
つまりは月が認識上2つどころか3つ在る事になり、現実的な落とし所として月と地球が重なっているとは、あるはずの月が存在しないと、つまりそう考えるしかないという説明も無理がないと御理解頂けるだろうか。

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