二人の聖夜…

12月24日の夜
二人並んで歩く街の歩道
今にも空から
雪の降りだしそうな雲行き
木枯こがらしが吹き
寒さに震ふるえる私を
そっと引き寄せるあなたの手
寄り添そったあなたのポケットに
手を潜もぐり込ませる
とっても温あたたかい…
かじかんだ私の手が
あなたの温ぬくもりで
ゆっくりとほぐされていく
ん…？
中に何か入ってる…
これ、何かしら？
くすぐったがるあなたに構わず
私は掴つかんだ物を引っ張り出す
中から出て来たのは
ボルドーカラーが可愛い
ベルベット貼ばりのジュエリーケース
え！
これって…？
「開けてごらん」
はにかんだ微笑ほほえみを浮かべて
あなたが言った
私は震える手で
掴み出したケースを開けた
中にはキラキラ輝く
綺麗な指輪が入ってる
「婚約指輪なんだ…
　受け取ってくれるかい？」
嬉うれしさに震えながら聞く
あなたからの告白…
言葉が出ない私は
あなたの首に両手を巻き付け
熱いキスで返事をした
長く熱い口づけの後
ようやく顔を離した二人
ふと気が付くと
木枯しは止み
ひらひらと
空から白い何かが舞っている
いつの間にか
抱き合う私達を囲かこむように
静かに雪が降り出していた
「ホワイトクリスマス…」
愛し合う二人を祝う
素敵な夜空からのプレゼント
あなたと私
見つめ合って同時に囁ささやく
「Merry Christmas & I Love You」
私の右手は
あなたの大きな左手に包まれ
私の左手の薬指は
街灯がいとうを反射してキラっと光る

私は一生忘れない
この二人の聖夜イブを…