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【まとめ記事】なぜ私達は自由を求めるのか?そのルーツを古典から探る!

現代では、「個人の自由と権利」は当たり前のものとして考えられています。私たちは、自由に職業を選び、表現し、移動する権利を持っています。しかし、この価値観は歴史的に形成されてきたものであり、多くの思想家の影響を受けています。



この価値観に影響を与えた古典 3選


1. 『社会契約論』ジャン=ジャック・ルソー(1762年)

ルソーは、「人間は生まれながらにして自由である」と主張し、国家の正統性は市民の合意(社会契約)に基づくべきだと述べました。この考え方は、民主主義や市民権の基盤となりました。


2. 『自由論』ジョン・スチュアート・ミル(1859年)

 ミルは、個人の自由を最大限尊重し、国家や社会が個人の行動を制限するのは、他者に害を与える場合のみと主張しました。この考えは、現在の人権や表現の自由の基盤となっています。


3. 『人権宣言』(フランス革命、1789年)

フランス革命で採択されたこの宣言は、「人は生まれながらにして自由かつ平等な権利を持つ」と明記し、個人の自由を基本的な価値とする考え方を制度化しました。現代の憲法や人権思想に大きな影響を与えました。


→ これらの古典によって、私たちが当然のように考えている「個人の自由と権利」が確立されてきたのです。



「個人の自由と権利」に反対する、もしくは異なる視点を持つ古典 3選

「個人の自由と権利」は現代では当たり前とされていますが、それに異を唱える思想も多く存在しました。以下は、自由主義とは異なる視点を示した古典です。


1. 『国家』プラトン(紀元前4世紀)

→ 哲人王による支配の正当化

プラトンは、国家の理想形として「哲人王」による統治を提唱しました。彼は、多数の民衆が自由に政治を行うこと(民主主義)を否定し、むしろ賢明な少数者が国家を指導すべきだと考えました。この考えは、自由よりも「善き社会」を重視する視点として、現代の自由主義とは対立します。


2. 『君主論』ニッコロ・マキャヴェリ(1532年)

国家安定のためには自由は制限されるべき

マキャヴェリは、国家を安定させるためには、君主(支配者)が時には権力を強権的に行使することも必要だと説きました。「目的のためには手段を選ばず」という彼のリアリズムは、個人の自由や権利よりも、統治の安定を優先する考え方です。


3. 『社会主義と戦争』ウラジーミル・レーニン(1915年)

個人の自由よりも共同体の利益

レーニンは、資本主義社会における自由が「ブルジョワ(資本家)階級に有利なもの」だと批判し、個人の自由よりも「社会全体の平等と労働者の利益」を優先すべきだと主張しました。彼の思想に基づいたソビエト連邦では、個人の自由は制限され、国家が計画的に社会を運営するモデルが採用されました。


まとめ

「個人の自由と権利」を絶対視しない思想は、自由主義に対する批判として重要な視点を提供しています。

・プラトンは賢人による統治を重視
・マキャヴェリは国家の安定を優先
・レーニンは個人の自由より平等を重視

これらの考え方は、自由主義が絶対的な正義ではないことを示し、社会の在り方を考えるうえで重要な議論を提供してくれます。



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