入社半年のPdMが感じた「エンタメプロダクト開発の特色」
こんにちは、GENDAプロダクトマーケティング部の大河内です。社内では「きなこ」というあだ名で親しまれています。
2023年10月にGENDAに入社し、「GiGO ONLINE CRANE」というオンラインクレーンゲームサービスのプロダクトマネージャー(以下、PdM)として働いています。
今回は私が転職後に感じた「GENDAでエンタメプロダクトのPdMとして働くことによって得た気付き」をお伝えし、読んでくださった方へGENDAで働くことの魅力をお伝えできれば幸いです。
GENDAの「エンターテイメント」
わたしが所属しているGENDAはエンターテイメント領域で様々な事業を展開していますが、GENDAと聞いてどのようなブランドやサービスを思い浮かべるでしょうか?
気がついたらどんどんいろんな事業が仲間入りしているので、毎日驚きとワクワクでいっぱいです。また、事業間でのナレッジ共有やシナジーなどが生まれる場面も多く、さまざまな事業があることによる面白さやメリットもたくさんあると実感しています。
私の前職について
前職ではオンデマンドグッズを作成・販売できるECサイトの開発に携わっていました。
事業自体はプロダクト、営業やマーケティングを行うチーム、グッズ自体を担当するチームに分かれて運営しており、私はプロダクトのチームにて開発ディレクターとして働いていました。
また、その中でもWebの機能改善やプロダクト面での法務対応を行うチームでエンジニアやデザイナーと共に機能提案・進行を行ったり、クーポン配布やメルマガ配信等の販促施策も実施していました。
機能や進める施策によっては外部のステークホルダーの方と関わりながら進めていましたが、基本的にはチームメンバーや事業部内の他チームの人とすり合わせながら進めるシーンが多かったです。
GENDAと前職で共通している点
まずは前職での経験が活きたシーンや共通していると感じている点です。
こちらに関しては、どんなプロダクト・サービスでも共通しているのではないかなと思いつつ、実際のエピソードも交えながら紹介できればと思います。
目標達成に向けて改善を行っている点
1つ目は、売上などの目標達成に向けてアプローチしたり、目標をさらに分解してアプローチの優先順位を決めたりする点です。
これは世の中にある、ほとんどのプロダクト・サービスが実施しているのではないでしょうか?
中でも、私が担当プロダクトの売上目標を見てエンタメらしさを感じたのは、KPIを分解した中にある「景品の閲覧率」や「プレイ率」などの指標でした。
ECサイトでも商品個別ページの閲覧率やカートイン率を測ることはあり、「景品の閲覧率を上げるために、発見性を高めよう!」みたいな話は商品ページの閲覧率を上げようとしていた時の経験が活きるシーンもしばしばあります。
購入や新規登録などの行動は他のプロダクトと共通していますが、「プレイしてもらう」「景品を見つけてもらう」という行動に関しては、エンタメプロダクトに携わっていることを実感したポイントでした。
ユーザー理解を深めながら、仮説検証を繰り返す点
2つ目は、担当プロダクトのユーザー理解を深めながら仮説検証を繰り返し、改善していく点です。
多くのプロダクトでは、定量面でも定性面でもユーザーの行動に対して理解を深め、より楽しく利用してもらえるプロダクトの実現を目指しています。
定量面ではGoogle AnalyticsやBIツールを活用しながらユーザーの行動をデータで追い、定性面ではユーザーインタビューなどを実施することで生の声を参考にさせていただいています。
データに関して、自分でSQLを書くこともあるのですが、複雑なものや時間がかかりそうなものはアナリストやデータチームの方々に依頼することが多いです。
定性調査の中で特に印象深かったのは、景品情報の表示に関する顧客インサイトです。
私の担当するGiGO ONLINE CRANEでは、そこでしか手に入らない限定景品も多くあるため、景品目的で利用されるユーザーさんが多いです。
このようなユーザーは、ぬいぐるみなどの景品を自宅で飾っていらっしゃる方も多く「景品の大きさや重さなどの情報を詳細に記載したら、実物のイメージが伝わりやすくなり、さらにプレイしたくなるのでは?」という仮説から「ぬいぐるみの詳細がプレイ画面でわかる」という機能のコンセプトテストを行いました。
しかし、結果として景品目的で訪れる方々は、景品を作成しているメーカーのサイトにて情報を確認した上でいらっしゃっているため、GiGO ONLINE CRANE内では特に表示していなくても大丈夫ということがわかりました。
このように、実際にユーザーさんから聞かないとわからなかったことも多く、定性調査では毎回多くの気付きや発見を得られることが多いです。
GENDAの特徴的な部分だと感じた点
プロダクトに関係なく「これはGENDAの特徴的な点だ」と私が感じている部分を紹介します。
アミューズメント施設運営の方々と協力して進める点
GENDAには実店舗向けのサービスやプロダクトが多くあります。
そのため、店舗の企画運営チームと協力して進めるシーンが多々あります。
世の中を見渡すと、実店舗があるECサイトや配送会社との連携を取ることが多いプロダクトは多くあると思うのですが、わたし自身の経験上、前職ではオンデマンドグッズを作成する工場の方々や運送会社の方との連携がスポット的なものだったので、どのプロダクトでも現場の方と密にコミュニケーションを取りながら進めているのは特徴的だと感じました。
担当プロダクトでもクレーンゲームが集まる倉庫で働かれている現場運営の方と、毎週の定例やSlackにてコミュニケーションを取りながら進めています。
運営の方々は景品の管理や問い合わせ対応などを行い現場のことを把握されているため、コミュニケーションの中で気がつけなかった課題を教えていただける場面も多いです。
密にコミュニケーションを取ることで、円滑な運営を行うための要望や顧客満足度の向上を目的とした意見などをいただけるため、オンラインクレーンゲームに関する視座や解像度を高めやすいと感じています。
例えば、プレイ画面内から問い合わせ履歴を確認できる機能なども運営の方とのコミュニケーションから実現した施策でした。
従来だとユーザーはプレイ中に不具合などが発生した際にプレイ画面から問い合わせができるのですが、その後問い合わせに対する運営側からの返信があるのか・正しく送れているのか確認するための「問い合わせ履歴画面」へのアクセスは、一度プレイ画面から退出する必要がありました。
プレイ画面から退出すると、ユーザーは獲得前に他のユーザーへプレイ権を渡すことになり、せっかく獲得の手前までプレイした努力が水の泡になってしまうという不満が生まれており、その旨の問い合わせも届いていました。
さらに、その場合の問い合わせ対応コストも高く、運営側にとってもユーザー側にとっても良くない状態となっていたため、背景や要望をプロダクト側に共有いただきました。
結果、実現方法やROIを試算した上でリリースしたところ、該当の問い合わせが来ることはなくなり、ユーザーにとってもさらに良い状態が実現できたという事例があります。
裁量が大きく、自由度が高いからこそのやりがい
GENDAはとても裁量が大きく、前回の原田さんの記事にある事例のように「やりたい!」と手を挙げればチャレンジできる機会が多いです。
その分、自分自身の判断によっては、挑戦が失敗に終わってしまうリスクもあるので、事前の細かな仮説検証やチーム内でのすり合わせなどはしっかり行う必要があると痛感したエピソードがあります。
オンラインクレーンゲームアプリでは、ユーザーの方が「プレイし続けたのに取れない」という失敗体験をなるべく減らすために「アシスト機能」が導入されているものが多いです。
現実のアミューズメント施設において店員さんが置き場所を変えてくれたり、狙う位置をアドバイスしてくれたりといった手助けを、オンラインクレーンでも実現するような仕組みとなっています。
以前、アシスト機能が導入されていないオンラインクレーンゲームにおいて、ユーザーインタビューや問い合わせの内容から、アシスト機能を導入する判断を行いました。
ユーザーの方々や問い合わせを実際に受けた運営の方々からは
アシスト機能がないと、頑張ってプレイしても取れないから続けられない
オンラインのため、実店舗と違い手助けしてもらう手段が全くない
アシスト機能がある他のゲームを選ぶ
といった声が寄せられており、ユーザー満足度を高め、顧客離反を防ぐためには最小限でも早めに導入する必要があると考えました。
しかし導入した結果は、売上や利益への寄与は少なく、さらに工数も1ヶ月ほどかかってしまいました。結果的に、本来であれば売上をもっと出せたかもしれない他の施策を進められた時間を売上の少ない施策に大きく使ってしまうこととなってしまいました。
この要因は大きく分けて2つあると考えています。
1つは、十分に事前の予測や準備ができていなかったことです。
今回、私はユーザーや運営の方々からの声や競合の状況を元に「アシスト機能を導入する」といった判断を行いましたが、ROIの試算や社内の他プロダクトで導入した際の結果などはあまり考慮に入れておりませんでした。
もし事前の準備をしっかり行っていれば、工数に対して十分なアウトカムが出せないことがわかり、他の施策を進めるなど適切な判断が行えたかもしれません。
もう1つは、アプローチが不適切であった可能性があることです。
1つ目の要因としてある十分な準備ができていなかったことにも関連しますが、ユーザーのインサイトの深堀りや実現方法の検討などをさらに行っていれば、アシスト機能の実現方法や別のアプローチなども検討できたはずです。
ただ、この失敗体験があったおかげで、他のプロダクトでアシスト機能に関する開発を進める際の判断材料が増えたり、私自身が事前の試算や仮説検証を抜け漏れないよう行うようになったため、進め方の判断を誤りにくくなったはずだと感じています。
これらの経験から、裁量が大きいからこそなるべく正確な判断を行うために、課題を正しく捉え、過去の事例やさまざまなアプローチの中から最適なものを判断するための力がつきやすい環境だと強く感じています。
また、GENDAのバリューのひとつに「Speed is King」というものがあります。
これは「スピード最優先で物事に取り組もう」という旨のバリューなのですが、スピードを最優先しながら正しい判断をすることも大切だと意識しています。
エンタメプロダクト特有だと感じた点
「購入」までの過程にある「ゲームをプレイする」
ユーザーが購入に至るまでの過程の中で「ゲームをプレイする」という行動が入ることや、「プレイ率」という指標があることはとても特徴的な点だと感じています。
例えば、ユーザーが課金するポイントは大きく分けて以下の2つです。
プレイするためのポイント購入
サブスクリプション
なお、サブスクリプションの内容も基本的にはプレイしやすくするための要素や、景品獲得前後に関するインセンティブとなる要素で構成されています。
そのため、「プレイしたい」と思ってもらうことが購入のトリガーの1つとなっており、プレイ率は事業の中でも重要な指標のひとつとなっています。
「楽しい」と思えるきっかけを考える
前述の通り「ゲームをプレイしたい」と思ってもらい、プレイ率を上げることは事業にとって大切な指標の1つです。
そのため、施策を検討する際もプレイ率を上げるために、前職のECでは考えもしなかったアイデアやアプローチを考えることも多々あります。
例えば、「特定の作品が好きで、その景品を目的にプレイしている」方々が使い続けたくなるアイデアとして「特定作品のキャラクターの声がプレイ画面で聞ける機能」を検討しました。
これはプレイボタンを押した時にキャラクターが「がんばれー!」などと応援してくれたり、まるでキャラクターも一緒にプレイしているような声を出してくれるものをイメージしていました。
他のサービスにはない価値を提供するといった点で大きな特徴となりそうなことや、キャラクターの声を聞くためにプレイするユーザーが一定数居そうなことから出した案でした。
実際は権限周りや運用コストが大きそうなことに加え、導入後の利益が想像つかず、ボツになっているのですが、こんなアイデアも出せるのはエンタメプロダクトならではだなと思っています。
最後に
裁量が大きくスピード感がある環境の中で、エンタメプロダクトならではの学びや発見が多い毎日なため、私自身も日々成長を実感しています。
引き続き、利用してくださるユーザーの方々に楽しんでもらえるプロダクトを作ることで、アウトカムや価値を提供し続けられるようにがんばります。
この記事を読んだ方に、少しでもGENDAに興味を持っていただけたら嬉しいです。
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