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GiGOの「ロケテ」とは?店舗と向き合うプロダクトのベータテスト実施事例

こんにちは、プロダクトマネージャーの原田です。
前回、以下のnoteで、こんなお話を書きました。

そんな経験も経て、担当プロダクトではいくつかの機能リリースを行ってきました。
今日は開発工程のなかでも大事にしているフェーズ「ベータテスト」のお話を通して、開発プロセスの様子を紹介したいと思います。


GiGO NAVIのベータテストの目的

今回お話しするGiGO NAVIとはこんなプロダクトです。

GiGOのお店で店舗スタッフの方が使っている業務支援ツール。
従来、紙やExcelで行っていた店舗業務をDXしています。

GiGO NAVIは業務で使うツールなので、店舗の業務が立ち行かなくなるような不備は最低限避けなければいけません。
そうならないために、ベータテスト期間を設けて一部店舗で機能を解放し、業務で実際に使ってもらいながら、重要度の高い改善点の洗い出しと追加改修を行います。
開発案件によっては、実施しないこともあります。

ちなみに、このベータテストをGiGOではよく「ロケテスト(ロケテ)」と呼びます。本来はアーケードゲームの開発用語のようです。アミューズメント施設らしい呼び方ですね!

ざっくりプロセス

ベータテストの効果

このベータテスト期間は、開発プロセスの中でもとても重視している期間です。

理由① 初めて知る店舗事情が出てくる

現場で開発したものを使ってみて初めて知る業務は結構あります。例えば特定のゲーム機に関する業務だったり、お店の特殊な事情に関する運用だったり。
避けたいものですが、事前に把握しきれない実態が出てくるのが現状です。GiGOの新業態やM&Aによる急拡大も背景にあります。

理由② リアルなユーザー視点がわかる

実用的な意見はこのフェーズでわかることが多いです。例えば、この業務ではこういう観点で情報を見るから、この順番で並ぶと作業効率が良い、など。
業務には支障がない課題でも、GiGO NAVIは快適な使いやすさも重視しているので、そうしたフィードバックを得ることは重要です。

上記の理由から、

  • クリティカルな課題を早期発見・対処できる

  • 確度の高い改善要望を早期に改善でき、ユーザビリティの質が上がる

といった成果が出やすいフェーズです。

ということで、この機会を最大限活用できるよう、ベータテストのより良い進め方を日々模索しています。なお、プロダクト面だけでなく、店舗業務を管理するチームにとっても、運用フローの刷新やマニュアル整備のための重要なフェーズになっています。

最近のベータテスト実施事例

ベータテストは開発案件ごとにやり方を決めますが、共通して意識しているのは、課題を早く見つけて早く対処することです。
前述の通り、実際の業務で利用されて初めて得られる情報も多いのが現状だからです。

ここでは、「業務計画表を作成する機能」を検証した時の取り組みを紹介したいと思います。
ユーザビリティテストのフレームワークを採用して、うまくいった事例です。

ユーザビリティテストとは:本物のUIや開発中のプロトタイプを試しに使ってもらい、ユーザビリティ(UIの操作性)の問題を発見し、原因を究明する手法

https://u-site.jp/usability/evaluation/usability-test
実際のユーザビリティテストの様子。店舗の方が作業する様子を私(左)が観察しています

複数店舗で実際の作業を見ながら、あらかじめ作成したテスト項目と照らし合わせて採点やチェックを行いました。

このやり方で抽出した課題は、大小含めて20個以上ありますが、発見から平均1ヶ月以内に改修版をリリースしています。「課題を早く見つけて早く対処する」という観点では、うまくワークしたかなと思っています。

良かったポイント

①ユーザビリティテストの採用

今回の機能の検証にマッチした手法だったと思います。テスト項目があることで、1~2時間の限られた視察でも効率よく要点をチェックすることができました。

②実際の業務を見る

業務を直接見ることで、今つまずいていそうだな.. など問題箇所が客観的に拾えました。インタビューなど作業から離れた方法で実施していたら、見過ごした問題があったと思います。
視察機会をこちらから設けたのも良かったです。店舗は忙しいので、待つだけでは意見の吸い上げが進まないからです。

③チームで参加する

テストには原則チーム全員(PdM、エンジニア、デザイナー)で参加しました。一次情報が共有できていると、課題感の把握や、改修方針の意思決定が早く行えると感じています。

④とりあえず拾う

細かい、個人の意見に偏っていそうな意見でも、気づきや要望はとりあえず拾い、それに優先度をつけました。まず量を拾うことで、重複や類似した指摘が多いことに気づけ、ユーザー感覚が掴みやすくなります。勘所が養われると、優先度判断がしやすいです。

改善リスト一覧。1回の視察で平均20以上追加します。

反省点

反省点もあります。
やはり使ってもらって初めてわかることは減らし、企画設計段階から把握・考慮できるように業務とユーザー理解を深めていきたいです。
また、我々プロダクトチーム、業務管理チーム、現場の店舗との連携を円滑にし、検証と改善のスピードを上げることが今後の課題だと思っています。

まとめ

改めて振り返ると、あれこれ模索するなかでも得られたナレッジがありました。今後のプロダクト開発に活かしていきたいですね。
GiGOのお店を業務支援という立場からもっとエンパワーしていけるよう、これからも取り組んでいきたいと思っています!

最後に

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