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入社2ヶ月半のPdMが考える「カスタマージャーニーマップ」活用方法

こんにちは、GENDAプロダクトマネージャー(PdM)の岩田です。

「カスタマージャーニーマップ」で検索するとマーケティング文脈での事例がよくでてきますが、プロダクトマネジメント文脈での事例紹介はまだまだ少ないように思えます。
なのでこの記事では、PdMの方向けに、実際に私が行った事例を交えて、作り方やポイントを紹介していきます。

カスタマージャーニーマップをPdMが作る意義


カスタマージャーニーマップはマーケティング文脈でよく使われますが、PdMの業務においても、プロダクトがユーザーにどのような文脈で使われるかを整理する上で、とても使いやすいフレームワークです。
実際に作成してみて次のような点で作ってよかったと感じました。

  • ユーザーに対する解像度が上がった

  • プロダクト前後の行動を可視化することで、プロダクトで実現したい体験が明確になった

  • デザイナー、エンジニアと、プロダクトを通じてどういう体験を作りたいのか共通認識を持てた

【準備】

ツール策定

カスタマージャーニーマップを作る上で、使いやすいツールは以下です。個人的にはMiroが最も直感的に使いやすいですが、普段使いしているツールとの親和性や好みで選べば良いと思います。

インタビューを実施する

ユーザーにインタビューを実施することで、ユーザーの細かい行動について情報を得ることができます。
プロジェクトでは、実際にユーザー8名に対してインタビューを実施しました。
インタビューでは以下のような質問をしました。

基本情報
・住まい(都心/郊外)
・仕事
・日常の過ごし方
・趣味
サービス利用について
・サービスを利用する主な目的やシーンを教えてください。
・どういう基準でサービスを選んだか、教えてください。
・どのようにサービスについて調べたのか教えてください。
アプリについて
・アプリを利用する目的を教えてください。
・似たような目的で利用するアプリを全て教えてください。
・もっとも使いやすいと感じるアプリを教えてください。
・どのような機能があるか教えてください。
・最も重要な機能を教えてください(無くなったらアプリ自体使わなくなるものは?)
・その機能をどういう文脈で使うのか教えてください。

ペルソナを策定する

ペルソナを策定しましょう。
カスタマージャーニーマップの原則は「1ペルソナに対して、1カスタマージャーニーマップ」になります。
複数のペルソナが存在する場合、それぞれに対してカスタマージャーニーマップが作成されるべきです。
プロジェクトでは経営方針、インタビューの内容、統計的なデータなどを参考にペルソナを策定しました。

これでカスタマージャーニーマップを作成する準備は整いました。

【作成開始】

開始地点と終了地点を設定する


開始地点・終了地点を決めましょう。
マーケティング文脈だと、サービスの認知から開始し、製品の購入を終了地点にすることが多いです。しかしPdMが作成するカスタマージャーニーマップは施策目的や課題仮説によって変わります。

例えば「ECサイトの売上を向上すること」が目的で、課題仮説が「画面遷移が多いことによるユーザーの離脱」だとすると、ECサイトに辿り着いてから画面遷移とそれぞれの画面におけるユーザーの感情の変化を記載すると良いでしょう。
また、プロモーション・マーケティングまでスコープを広げてユーザー体験を見直したい場合は、ユーザーがどのようにECサイトを認知したのかという部分から開始することになります。

ここからはAs isとTo beのカスタマージャーニーマップを作っていきます。

【As is作成】

書き出してみる

開始地点と終了地点、行動の粒度が決まったら、行動・思考・感情を付箋で書き出していきます。インタビューの議事録を見返しながら進めましょう。
なるべくユーザーの発言をそのまま転記するのが良いです。

グルーピングする

ある程度書き出したら、行動をグルーピングしてみましょう。
例えば、会員証アプリであれば、「来店前」「来店中」「来店後」といった形で行動をグルーピングすることができます。

ユーザーとの接点を記載する

ユーザーとサービス上、接点がとれるポイントを記載していきます。
今回のプロジェクトの場合、アプリ外のサービス接点も多かったため、「アプリ接点」と「アプリ外接点」という分類をつくりました。
これによって、

  • 現状のアプリだと、ユーザーとアプリ接点がとれる箇所が少ない。

  • サービス利用においてアプリ外の接点が多くあり、それを活用していくことが重要である。

といった気づきがありました。

【To be作成】

課題+改善案を記載する

カスタマージャーニーマップをここまでつくって、見えてきた課題・改善点を記載していきます。

  • 課題:

    • アプリでの接点が少なく、ユーザーに特定の機能の存在を認知させられていないこと

  • 改善点:

    • サービス全体で各機能を認知してもらうための体験設計をする

    • アプリの初回時同時に表示されるオンボーディング画面で、各機能を紹介する

といった内容を記載しました。

改善案を踏まえてTo beのカスタマージャーニーマップを作成

最終的に改善案を踏まえたTo beのカスタマージャーニーマップの作成をしましょう。

As isとTo beの差分がわかるように強調すると、エンジニアやデザイナーに共有するときに伝わりやすくなります。

実際にやってしまった失敗・注意すべきポイント

最後に実際に過去、カスタマージャーニーマップを作成する際、自分がやってしまった失敗や注意すべきポイントを紹介します。

<過去の失敗>

  • 複数のペルソナを1つのカスタマージャーニーマップで表現しようとしてしまった。

    • ペルソナが複数にいることで、行動に一貫性がなくなり、混乱をさせてしまいました。1ペルソナに対して1カスタマージャーニーマップを意識しましょう。

  • 行動の粒度を細かく書きすぎて、冗長なカスタマージャーニーマップになってしまった

    • 理想はスライド1枚に収められる長さでつくると良いです。

    • エンジニアやデザイナーに共有するとき、伝わりやすくなります。

    • 改善案や課題に関係ない情報は削除してスリムにしましょう。

まとめ

  • インタビュー、定性調査を実施し、ユーザーの行動を理解しましょう。

  • 1ペルソナ、1カスタマージャーニーマップを意識してペルソナを策定しましょう

  • 目的にあわせて開始・終了地点を設定しましょう。

  • 行動・思考・感情を書き出しましょう。

  • 分類してグルーピングしましょう。

  • ユーザーとの接点を整理しましょう。

  • 課題、改善点を書き出しましょう

  • 改善点を踏まえて、To beのカスタマージャーニーマップを作成しましょう。

最後に

GENDAのPdMは裁量が大きく、ワクワクする打席がたくさんあります!
この記事を読んだ方に、少しでもGENDAに興味を持っていただけたら嬉しいです。

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