#へら浮子作ってみた
へら浮子を作ってみた。といっても、それは2016年7月31日まで遡る。今回、noteを書くにあたって、Facebookで過去の投稿を調べたらわかった。もう、6年近く前になる。なんとも時が過ぎるのは早い。
当時、僕はへらぶなという魚を釣る楽しみを覚え、週末に近所の池に通うようになっていた。まず、ご存知ない方のために簡単に説明すると、へらぶな釣りとはリールがついていない延べ竿に糸を結び、浮子と釣りばりをつけて釣るものだ。釣りばりは2つ。麩やグルテンなどを使ってダンゴを作りそれを釣りばりにつける。
ダンゴは少しづつ水中で溶けて、魚を誘引しつつ食いつかせるように出来ている。ダンゴが溶けなくては魚を集められないし、溶けてしまったら魚を食いつかせることはできないのだ。そして、水中でのダンゴの状態や魚の動きやアタリを見極めるセンサーの役割をするのが、今回のテーマであるへら浮子なのである。
へら浮子はだいたいはこの写真のような形状をしており、真ん中のボディ部分、下の脚部分、目盛のついたトップ部分で構成されており、真ん中部分は孔雀の羽根や茅の茎の部分でできていて浮力がある。トップの目盛はエサのダンゴの溶け具合、魚がエサの周りにいるのか居ないのかの目安になる。そして時として大きく力強く水中に引き込まれる。そう、へらぶながダンゴを口に入れた瞬間だ。この瞬間をアタリと言うのだが、瞬時に合わせを入れないとへらぶなはすぐにエサのダンゴを吐き出すので、うまく釣れないことが多い。このアタリの瞬間の快感が最高でその感覚から逃れられずに、今でも色々な水辺に通っている。
さて、浮子作りの話に戻ろう。釣具屋に行くと色々な浮子が売られているのだが、これをなんとか自分で作りたいと思ったのが6年前という事だ。
とある書店で、この湯浅さんの『釣れるヘラウキ』という本と出会ったのが運命の始まりだ。DVD付きで丁寧に浮子の製作過程を動画で説明してくれる優れもの。少し絵を描くことはあったが、昔から工作など、大の苦手だった僕だが、なぜか引き寄せられるようにこの本を手に取った。そして、釣具店と東急ハンズで、本に書いてあるのを参考に、道具を購入した。
茅、トップ、塗料、ヤスリ類、筆、ペン、ボンドなど、あれこれで2万円くらいしたらしい。当時のFacebookにはこう書いてある。
『念願だったへらうきの自作を初めてやって見る。材料など初期投資に2万円程になった。結構な出費。内容は材料費、工具、塗料類。塗料類は特に油性塗料系なんか使った事がないのでめっちゃ不安。昨日渋谷ハンズで店員さんにあれこれ聞きながらなんとか揃えた。学生時代にちゃんと技術の授業を受けておけばよかった。どんな勉強よりよっぽど役に立つ。なお、出費額からすると最低10本は良い使えるウキを作り上げないと採算が合わない・・・!。まあー作ってる時間はプライスレスだけどね~!
んで、できたらしい浮子がこれ。
製作には塗料が乾く時間など入れて3週間くらいかかるのだが…。
これで釣った記憶はない。んで、いま思うと酷い出来上がり(笑)
では、ここで、これまでに撮り溜めてきた写真を使って、浮子作成の手順を。
①.茅(カヤ)、脚、トップを作りたい浮子の大きさに合わせてカット
②.茅を浮子の形になるようにカット
③.ボンドで接着
④.ボディの下塗り(カシュー塗料×2回)
⑤.金線、銘などを入れる
⑥.ウレタン塗料でコーティング(3〜4回繰り返す)
⑦.トップの目盛を塗り完成
と、まあこんな所だ。
全く形のないところから出来上がりをイメージしながら作り上げるのはとても大変だが楽しいことでもある。
次はもっとこんな感じで〜、もっと立ち上がりが早い浮きにしたい、魚のアタリをもっと明確に表現できないか?など欲は出てくるもので、一作品出来上がって釣り場で使ったら、直ぐに次の浮子のイメージが湧いてきて、また作る。という感じで作り続けてもう6年、部屋には作った浮子が何本もある。
最近はより一層の高みを目指して、2019年の夏ごろに自作浮子の銘を玄武「基」とし、一緒に釣りをしてくれる仲間と様々なチャレンジをしながら、日々、理想の浮き作りに邁進している。
今では、苦心して釣り上げたへらぶなを自作の浮子と一緒に写真に撮るのが一番の趣味になった。この至福の時がいつまでも続くように自然を愛し、へらぶなと仲間を愛して健康に日々過ごしていきたいと思う。
以上、お読み頂きありがとうございました。
また、ご縁がございましたら何処かでお会いしましょう。