マルチエンディングなどただの責任放棄だ/『428 ~封鎖された渋谷で~ 』プレイ記
みんな~GWは何やってた?
俺?
SteamのGWセールで『428 ~封鎖された渋谷で~ 』が安かったんで、暇つぶしにやってみるかと買ったら、面白すぎていつの間にかGWが終わってたぜ。
Steamで発売されたのは去年だが、元々は2008年にリリースされた11年前のゲームだ。
だが、実写の、しかも静止画を主体とする今作は古臭くない。今やってもまったく問題なく面白いゲームだ。安心して買え!
もちろん、渋谷の街並みだとか小道具は時代を感じさせる。
だが、ストーリーとシステムが秀逸すぎて、んな細けぇことは気にならん。
もうね、詳しく書けないのが残念だが、どんでん返し、意外な展開がこれでもかと襲ってくる。それでいて破綻していない。
いや~タマが〇〇〇〇を○いだときはビックリしすぎて声でたわ。(ネタバレにつき自主規制)
だが、どんな秀逸なストーリーだったとしても、ただ読んでいくだけでは小説と変わらん。
これはノベルゲームだ。ゲーム性が必要だ。
これまでのノベルゲームというのは、選択肢がでてきて、選ぶと進むルートが変わり、マルチエンディングをむかえる、というのが主だった。
それは同社のサウンドノベルシリーズも同じだった。
今作が素晴らしいのはエンディングが1つだけ、ということだ。
今作は複数の登場人物の物語が同時進行しており、適宜、人物を切り変えて進めていく。『24』に影響されたらしいが、確かにアレに近い。
それぞれの話に選択肢が出るが、不正解を選ぶとBADENDだ。
と言って、選択肢を選ぶだけの単純なシステムではない。
例えば、ある人物のシナリオを進めていくと、選択肢が出ることもなく車に轢かれてBADENDになってしまう。このままではどう足掻いてもBADENDだ。
これを回避するためには別のシナリオでその車を止めてやれば良い。そうしておいてから戻ると、車が来ないのでシナリオが進んでいく…ってわけだ。
そういう謎解き要素があって、これが従来のノベルゲームとは一線を画すゲーム性を実現している。
あの出来事の裏ではあの人があんなことをしていた、あの人があれをしたおかげでこっちでもうまく行った、というように、複数のストーリーが複雑に絡み合い、多角的な視点からメインの事件を見せる事によって、その重厚さが増している。
最初は全く無関係に思えたそれぞれのストーリーが、最後に1つにまとまるのは美しいとしか言いようがない。
いいか?マルチエンディングなんてなぁ、作家の責任放棄なんだよ!
「こういう結末もアリですよね」みたいな、複数のエンドを用意すんな。
エンディングは1つだけだ!パラレルワールドみたいなのは無い!
(恋愛シムでどの娘を落とすかっていうルート選択があるのはまぁしゃーない)
そんなわけで、エンディングが1つでありながらもゲーム性を失っていない今作はノベルゲームの1つの完成形である。絶対オススメ!
同様のシステムの作品が最近は出ていないようだが、なぜだ?もっと!もっとくれ!