~初任者必見~小学校における「指導書」の活用
今回は小学校における「指導書」の活用についてお話をしたいと思います。
指導書
あまり聞き慣れない「指導書」という言葉ですが、教員の方であればほとんどの方がご存じかと思います。
そして、中にはお世話になっている方もいらっしゃるのではないかと思います。
簡単に説明しますと、指導書とは、「教科書の解説書」のようなものです。
ただ、解説だけではなく、各単元における問いかけの仕方、内容の活用方法、板書の仕方などについても書かれています。
さらには、各単元で活用できる書き込み式の資料も添付されています。
ただ、すべての教科書に対して指導書があるわけではありませんので、各教育委員会、学校で採用している教科書に対応した指導書が作られていなければ、活用することはできません。
(教育出版などで販売されていますので、気になる方はご確認ください。)
正直なところ、この指導書があれば、初任者をはじめとした経験年数の浅い教員でも、「それなりに」授業を成立させることができます。
「それなりに」と書いたのは、問いかけのタイミングやその後の答えの広げ方、板書の色使い、子ども達の回答に対するリアクションなど、授業には細かい技術が散りばめられていますので、十分な授業を行うためには指導書だけでは不足している部分があるからです。
ただ、最初は授業を成立させるだけでも大変なこともありますので、指導書は若手教員を中心に非常に強い味方となります。
※余談ですが、書き込み型資料を活用した場合、多くの教員はその資料をそのままノートに貼らせます。そのため、保護者の方でお子さんのノートを見たとき、書き込み型のプリントがやたら貼ってある場合は、担任の先生は指導書をフル活用されているのかもしれません。
(それが悪いということではありません。)
指導書の活用
上記で説明したように、指導書は若手教員にとって強い味方となり、私も小学校教員をしていた際には多々お世話になりました。
しかしながら、これにばかり頼ってしまっていると、授業を発展させる力が失われてしまいます。
具体的には、授業準備が指導書に沿って行われることとなり、各クラスの実態にマッチしたものとならない可能性があるのです。
基本的に授業とは教える内容は同じ学年であればどのクラスも同じですが、その教え方というのはクラス、担任によって異なります。
クラスを構成する子ども達が違いますので、その子ども達に適した教え方が異なるのはある意味当然です。
子ども達一人1人、ひいてはクラスに合った教え方を考えるのが教員の仕事なのですが、指導書は画一的な教え方しか載っていないため、指導書だよりになるのはよろしくはありません。
そこで、指導書を基にクラスに適した教え方を模索していくことがベストだといえます。
もちろん、経験年数を重ねるにつれて、指導書から離れていくことが理想です。
ただ、指導書に書いてある指導法も、決して間違っているわけではありませんので、ベテランだからと言って利用しない手はありません。
ベテラン教員にとっても、時々指導書を見てみることで、新たな発見があることかと思います。
指導書は初任や若手教員が使うものと決めつけて、「悪」としてしまうのは早計です。
今回は指導書の活用についてお話ししました。
上記でも話しましたが、正直、指導書はそのまま指導書通りに教えたとしても、授業が成立するほどの内容が詰まっています。
授業になれていない若手教員の方々にとっては、この指導書を活用することで、授業準備がしやすくなるかと思います。
教員になったばかりの段階では、0から授業をつくるのは決して容易ではありません。
このような指導書を使いながら授業の流れを体感し、徐々にオリジナリティを出していけばよいと個人的には思うのです。
慣れない環境で悩んでいる若手教員の方がいらっしゃったら、指導書を活用してみてはいかがでしょうか。