ベンチャーキャピタルの投資時における株価決定の流れ
ベンチャーキャピタルの投資時における株価決定の流れ
ベンチャーキャピタルが非上場会社に投資する際の株価は、通常は、投資の出口(投下資本回収)をどのように想定するかによって決まってきます。
投資の出口の時価総額は、投資対象企業の事業利益予測に左右されます。
投資対象企業の収益予想
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投資出口の株式時価総額(投資の出口の株価)を試算
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株式を引き受けられる株価(投資の入り口の株価)を決定
投資対象企業の収益予想等
予想売上高、予想営業利益、キャッシュフロー、事業成否にかかわる仮説等をExcelに数字として落とし込みます。
予想売上高=想定市場規模×市場シェア
市場規模の大きさを訴求するのか?
市場シェアを高める競争力を訴求するのか?
ネットワーク効果が強い領域でWinner-takes-allになるか?
投資出口の株式時価総額を試算
Exit時点における予想当期純利益×予想PER=予想株式時価総額が導かれます。
PERは企業の絶対評価ではなく、相対評価です。
投資家は、比較対象の類似上場会社を主観的判断で選定します。起業家によるエクイティストーリーによって類似会社は変わってきます。投資家の共感を得られるようなエクイティストーリーを描けるかによってPERは変わってきます。
類似上場会社の選定の判断要素
類似上場会社選定の判断要素として、日本公認会計士協会の企業価値ガイドラインにおいて、以下のものが例示されています。
a) 業界
同じ業界団体又は同種類の産業分野に属しているかどうか。
b) 取扱商品、サービス
商品製品やサービスが同種のもの又は競合するものであるかどうか。
c) 営業などの許認可関係
事業を行うために同種の許認可などが必要かどうか。
d) 事業規模
売上高や総資産・従業員数などにおいて事業規模が同程度であるかどうか
e) 成長性、新規性又は成熟度
新規ビジネス分野又は新規製品を取扱い、高い成長性が見込める業種かどう
か、又は既に成熟産業の分野となっているどうか。
f) 収益性
収益性において同程度の会社かどうか。
g) 地域性
地域色の強い会社の場合、同地域の経済環境にある会社かどうか。
h) 事業戦略
M&Aを多用するなど事業拡大戦略などが似通っているかどうか。
選定する会社は、通常1社だけでなく3社程度を選定すると良いでしょう。
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