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インドネシアの社会起業家と日本の社会人メンバーとの協働。実際にあがった9つの成果とは?

GEMSTONEのプロジェクトコーチ&マネージャーの柳瀬幸恵(さちごん)です。

現在進行しているオンラインプログラムEMERGEが折り返し地点を迎え、
第4回セッションはインドネシアの社会起業家に対してプレゼンを行うCase Projectに取り組みます。

その情報収集・ヒアリングとして、去年社会起業家と3ヶ月間協働をしてきた別プログラム参加メンバーに先方の課題感・テーマや協働内容などを聴くミーティングを開催しました。

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(Co-Pro参加者+EMERGE参加者 それぞれのプログラムメンバーが集合)


私はCo-Pro第二弾は外から見ていただけでしたが、いざ聴いてみると…たった3ヶ月の間に日本人のメンバーが起こしたプロジェクトの数々、実現した成果にとても驚かされました。

今回は、会社員や学生をしながら協働したCo-Proメンバーがどんなプロジェクトを実施してきたのか、彼らの軌跡を紹介します。


新興国ソーシャルベンチャー共創プログラム(Co-Pro)とは?

当社、一般社団法人GEMSTONEが主催する『新興国ソーシャルベンチャー共創プログラム(以下:Co-Pro)』は、日本の社会人チームが新興国のソーシャルベンチャーの経営支援や事業開発に3ヶ月間取り組むプログラムです。

机上の知識だけのディスカッションではなく、現地のフィールドを訪問し、自ら経営や事業の課題解決や創出に参画し、実践していきます。日本人メンバーと、社会的事業に取り組む団体メンバーが、一つのチームとなりプロジェクトをやり遂げていきます。

新興国ソーシャルベンチャー共創プログラム 第3弾 (1)


インドネシア高級チョコレートメーカー Krakakoa の課題に挑んだ、OZチーム

2019年6月〜9月。

Co-Pro第2弾へ参画した6人のメンバーは、自らにOZというチーム名を付け、インドネシアのカカオ農家の生活向上・技術向上をビジネスを通して解決する高級チョコレートメーカー「Krakakoa」との協働に挑みました。

6人の日本人メンバーは、それぞれ仕事や学業と並行しながらも実際に2回インドネシアを訪れ、農家の人から話を聞き、創業者と議論を重ね、自分たちが力になれる経営課題は何かを洗い出し・検討した上で「日本人へのマーケティング」に絞り、3ヶ月という短い期間で意味のある活動をすることを決めたそうです。

彼らがどんな活動をし、どんな成果につながったのか…たくさんの要素がでてきました。以下今回共有してもらった内容をあげていきます。

【OZチームの出した成果】

1. 国連大学前開催のFarmers Marketに出店


青山の国連大学前で開催されていたFarmers Market@UNU の Craft Chocolate Festivalに出店。数々の高級チョコレートが並ぶ中、テイスティングができるようにしたり、事前に告知をしたりすることで、20万円近くの売上をつくることができた。日本のチョコレート愛好家にとっても十分選ばれる商品であることがわかった。

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〜インドネシアでの日本人旅行者に対し、知ってもらう機会を増やす〜

2.「地球の歩き方」他メジャー旅行本・雑誌への掲載

日本で販売されているバリのガイドブック6社に情報をまとめた上で掲載依頼を行い、「地球の歩き方」にKrakakoaの掲載をすることに成功!また、もう一社別のメジャーな雑誌へも掲載された。創業者のSabrinaも大変喜んでいたそう。

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3. 日本語パンフレットの制作・設置

日本語パンフレットを制作し、バリのデンパサール空港に設置。制作過程では、マーケティングを生業にする参加者が日本人に刺さる訴求価値、メッセージングなどを磨き込み、英語パンフレットからの情報編集を行った後に、翻訳して完成させた。


4. 農家を取材したビデオを独自制作

農家の生活向上や技術向上に力をいれているKrakakoaは農家の生活が安定するよう、長期契約や適正と考える価格(現状、市場価格より高値となっている)での契約を結ぶと共に、農業技術向上のための指導に力を入れている。

しかし、そのKrakakoaの理念や大事にしている姿勢が、日本人の消費者に伝わる場がなかった。

そこで、OZチームの2名はジャカルタから更にフライトを乗り継ぎ、その後片道5時間車に揺られ、農家を訪問。生産の様子やインタビューをまとめた動画を独自に制作した。ウェブ上やショップで動画を流すことでKrakakoaのチョコレートを買うことが彼らの生活向上につながっているかがわかるようにした。

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5. 日本語のウェブサイトを制作

当初、KrakakoaのWEBサイトは、英語とフィリピン語しか存在していなかった。
日本人旅行者やインドネシアに住む日本人など、日本語でアクセスする人にもKrakakoaの情報を届けやすくするため日本語サイトを制作した。

https://krakakoa.id/?lang=ja


6. 日本語ブログ制作

Krakakoaの魅力、プロジェクトの内容などに触れてもらうことで
Krakakoaの認知度向上に貢献した。

また、この活動を通じてKrakakoaのファンになったメンバーが、それぞれの視点でKrakakoaの魅力を伝えている。

https://copro-teamoz.amebaownd.com/

7. 日本の市場環境を分析し、ポジショニング・取り得るアクションを提案

市場調査、競合分析などを入念に行い、Krakakoaのポジショニングや取り得るアクションなどマーケティング戦略を立案し、提案を実施。包括的かつ日本の市場環境の理解が深まる内容に、Krakakoaから今後のベースとなる情報・提案だと評価を得た。

8. 日本人旅行者の消費傾向「お土産文化」をレクチャー

また、当初「日本のお土産文化」に対しての知識がなかった創業者Sabrinaに対し、日本人の消費傾向についてレポートをまとめ共有した。
お土産をどのタイミングでどれくらい買うのか、どんな用途で買うのかなど、アンケート調査を実施。レポートでまとめ共有することで理解を深めてもらうことができた。

9. 大学学生団体とタイアップしたSDGsワークショップ

大学に通いながら参加していたメンバーは、学生団体とタイアップしてSDGsについて学べるワークショップを企画。Krakakoaの事業について認知が向上されると共に、参加学生のSDGs理解促進、実業を通じて社会との繋がりを考える場を創出した。

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〜他にも同時に走らせた様々な試作〜

日本での販売網の拡大を模索

日本市場で親和性の高い会社をリストアップし、販売できるチャネルを増やすべく動いた。現在の日本ディストリビューターへ販売先を紹介するなど、現状の体制を尊重した上で、拡大に繋げようという動きを行った。

デヴィ夫人へのアプローチ

形にはならなかったものの、デヴィ・スカルノ夫人へ手紙を送り、インフルエンサーとして紹介してもらうことはできないかという突撃依頼も実施していた。

Krakakoaについてはこちらの記事も…

ちなみに、参加者でありIdeas for goodの編集者でもあるしほさんがKrakakoaについての記事をアップしている。大変わかりやすくKrakakoaや創業者Sabrinaについて書かれている。この記事とそこからの認知向上もOZチームの成果である。

インドネシア発「Farmer to Bar」小規模カカオ農家を一流に育てるチョコレートメーカーKrakakoa


実は、チームメンバーに起きた変化もかなりすごい!

今回は割愛しますが、これだけたくさんのことを、しかも仕事と並行してやってのけたOZチームのメンバーには、それぞれ大きな変化が起きていました!

自分にとって大切な価値観がわかった人、本当に目指したい道に向け転身した人、働き方が大きく変わった人…また別の機会に触れたいと思います!また、この活動や変容を支えたCo-Pro運営の哲学や舞台裏も、今後ご紹介していきたいと思います。

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終わりに

OZチームの話を聴いていると、前段として調べられる限りの情報を調べ、分析し、それぞれの得意なことを活かしてどんな貢献ができるか、夢中で考えながら動いてきたことが伝わってきました。

日々の仕事や勉強をしながらこれらの活動をたった3ヶ月でやっていたときいて、改めて驚きました。彼らの活動があったことで、創業者Sabrinaは次回のCo-Pro開催においても協働を「ぜひ!」と希望してくれました。

目の前で行っている仕事が、遠くの誰かにとってかけがえのない力になる、そんなことを証明してくれたように感じ、とても感動しました。

(文:柳瀬幸恵)

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