パティシエ、上手なプリンの作り方を全力で語る② プリン液作る編
パティシエがプリンの上手な作り方を全力で語るシリーズその②です。
前回はこちら。全文無料ですー。
前回は何をブツブツ語っていたかというと、
プリンは卵の特性を意識して作ろうぜ!ということ。
特にプリン作りの工程の中で、
プリン液を作る
プリンを焼く
この2つは特に卵の特性に気を付けましょう、ということを言い放って終わった感じです。
今回はじゃあ具体的にどんなふうに気を付けるのかを語っていきます。
プリン液は卵が固まらない、でも温かい温度帯で作る
卵が固まらず、かつ焼きはじめるとプリンが固まる温度まで上がりやすいプリン液を作りましょう。
そのために気を付けるポイントはこちら
①卵に砂糖を混ぜる
②牛乳は60℃くらいのものを加える
③卵は常温に戻しておく
①から順に説明していきますね。
①卵に砂糖を混ぜる
砂糖は絶対卵に合わせましょう。
砂糖を溶かしたいなら牛乳にいれても良いのでは?
そう思った方、違うんです。
違わないけど違うんです。
卵に砂糖を入れるのはある特性を利用するための作業なんです。
それは、
砂糖にはタンパク質の熱変性を抑える力がある
という特徴。
要するに、卵は砂糖と混ぜておくことでアツアツ牛乳の直撃を受けても耐えられる力がアップするということ。
なので、牛乳の最適な温度はあれど、砂糖パワーで卵が焼く前に固まるのをブロックできるのです。
話はそれますが、牛乳にももちろんタンパク質が含まれています。
なので、砂糖を少し入れて加熱すると、あの薄い膜が張らないんですよ、実は。
なので甘いホットミルクを作る時なんかも、事前に砂糖を少し入れるのがおすすめです。
②牛乳は60℃くらいのものを加える
砂糖の力はあれど、牛乳の温め温度は卵の凝固温度は(60℃~)を超えないぎりぎりのラインを狙いましょう。
「ほな、そんなに温度を気にするなら、冷たい牛乳でもえんちゃう?」
私の答えは「おすすめしない」です。
出来上がったプリン液が冷たすぎると、キレイに焼くにはさらにテクニックがいります。
オーブンの中で、「す」を作らず冷たいプリン液の中心まで火を通し、キレイに焼く。
これは難しい。
なので、プリン液を作る際は、卵の熱変性の最低ラインである60℃ギリギリくらいの牛乳でプリン液を作りましょう。
熱の影響を受けずにプリン液を作れますし、なるべく温かい液だと焼きやすくなりますよ。
それにプリン焼く編でも話しますが、牛乳を温めると、「す」の原因となる牛乳内の溶存気体を抜くことができます。
③卵は常温に戻しておく
キンキンに冷えた卵と温めた牛乳を合わせると、当然ながらプリン液の温度が下がります。
なので、せっかく牛乳を良い感じの温度に温めた手間を台無しにしないためにも、卵は常温に戻しておく方がベターです。
それ以外に気を付けるポイント
また温度帯以外にに注意すべき点として挙げられるのが、
ガチャガチャ混ぜすぎて余計な空気が入らないようにすること!
仕上がりのキレイさ重視ならこれはマストです。
卵と砂糖を混ぜる時、牛乳を注いでから混ぜる時、元気よく混ぜすぎるとプリン液の中に空気がたくさん入ってしまいます。
これはそのまま「す」の原因になります。
また焼く際のポイントで触れますが、「す」は空気の泡(水蒸気)の置き土産みたいなもんです。
なんかうまいこと言えた気がする(笑)
また、作ったプリン液を置いておいて、自然に空気が抜けていくのを待ちましょう、というアドバイスも見かけます。
でもこれは先ほども説明したように、プリン液が冷めるのであんまりおすすめはできないかなーと思います。
焼くコツまで到達できなかった・・・
続きはまた次回!makoでした^^