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ゲルと乾燥

ゲルは高分子鎖でできた網目構造の中に、水などの溶媒を含んでいます。
乾燥して溶媒がなくなると、ゲルの物性は大きく変化します。
溶媒を失うとゲルとしての特徴を失ってしまうんです。
*一部の特殊なゲルを除く

常に水などの溶媒に接していれば乾燥を防止できます。
しかし、そうでないケースはとても多く、ゲルは空気中で少しずつ乾燥していきます。
特に、生き物にとっては死活問題です。
ほとんどの生物は水とタンパク質のハイドロゲルでできています。
水分の20%近くが失われるだけで、生命を維持することは出来なくなります。

ハイドロゲルが水分の一部を失うと、本来の機能を発揮できなくなるんです
そのため、乾燥し難い・乾燥しても元に戻るゲルを研究開発するのは重要なことです。
と言っても、これはかなり難しいテーマです。一度乾燥すれば、ゲルの網目構造は大きく変化し、元に戻らなくなります

では、どうすれば良いんでしょうか?

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