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Gelate 研究ノート

趣味のゲル研究や化学のニュース・興味深い研究について、一歩踏み込んだ内容の記事をお届けします。基本は以下の3本です。 〇化学に関するニュース解説 〇連載:科学と歴史(不定期) 〇…
月に3本以上(最低3本)、化学と個人研究に関する月額マガジン専用記事を投稿します。 〇化学に関する…
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#ガラス

歴史と科学 Vol.21 〜曇りガラス〜

曇りガラス(くもりガラス)は、光を拡散させる効果を持つガラスで、プライバシーの保護や装飾目的で広く使用されています。 そして、化学実験に欠かせないものです。磨りガラス(すりガラス)の栓が無ければ成り立たない分野もあります。 今回は、そんな曇りガラスの歴史について解説します。 ※曇りガラスは不透明なガラスの総称で、曇りガラスには磨りガラスやフロストガラス、型板ガラスなどがあります。 曇りガラスの起源と発展ガラスの発明: 紀元前3000年頃の古代メソポタミアやエジプトで最初の

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ガラス器具(化学研究用)

化学研究において、ガラス器具は実験の精度を左右する重要なツールです。 (更新11/17, 13:13 有料部分に写真を一枚追加しました) 研究に使われるガラス器具の多くは、ホウケイ酸ガラス(通常のガラスよりホウ酸の含有率が高い)で作られており、様々な化学薬品や高温に対して高い耐性を持ちます。 そして欠かせないのが透明性です。反応の様子を確認できるため、実験の過程を細かく観察できます。 また、不活性であることも重要です。容器が化学反応に影響を及ぼすと実験は台無しです。化学反応

¥300

ガラスの謎

ガラスは古くから世界中で使われている馴染み深い材料ですが、 実はよくわからない事の多い材料です。 ガラスの構造と性質について、多くの研究者の努力のおかげで基本的な理解は進んでいますが、いまだに解明されていない事もあります。 その未解明の課題について、解説します。 1.ガラスの「ガラス転移」のメカニズム ガラスの形成過程で、液体が冷却されていくとある温度で突然流動性を失い、固体のように振る舞う状態(ガラス状態)に遷移します。これを「ガラス転移」といいます。しかし、この転移の

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歴史と科学 vol.10 ~ガラスの歩んできた道②~

前回は古代を中心に、ガラスの歴史について触れました。 今回は中世から現代までを見ていきます。 そして、ガラスの特殊な性質についても解説します。 板ガラスの登場と発展平らなガラスのことを板ガラスと呼びます。 とてもシンプルですが、平らなガラスを作るのは重要なことでした。 古代においては、ガラス玉やガラスの器はあっても、平らな板ガラスは皆無に等しかったんです。 現代では至る所に板ガラスが使われているため、簡単にできると思っている方が多いのではないでしょうか? かつては、平らで透

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歴史と科学 Vol.9 ~ガラスの歩んできた道①~

古くから使わている材料、ガラス。 いつから作られ、どんなものに使われてきたのか。 その用途や製法を中心に、ガラスの歴史を紐解きます。 今回は石器時代から古代にかけての、ガラスの歴史について解説します。 *思ったより長くなったので、二回に分けることにしました。 ガラスのはじまりガラスのはじまりは紀元前5千年~紀元前4千年のメソポタミアと考えられています。この頃のメソポタミアの遺跡からガラス玉が発見されています。 しかし、これはエジプトのガラス製品のコピーではないかとも言われて

¥300