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Gelate 研究ノート

趣味のゲル研究や化学のニュース・興味深い研究について、一歩踏み込んだ内容の記事をお届けします。基本は以下の3本です。 〇化学に関するニュース解説 〇連載:科学と歴史(不定期) 〇…
月に3本以上(最低3本)、化学と個人研究に関する月額マガジン専用記事を投稿します。 〇化学に関する…
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#科学

歴史と科学 vol.17 ~車輪が運んだもの~

車輪は人類の文明発展において、最も重要な発明の一つです。車輪の発明と進化は、人類の移動手段、運搬方法、工業技術に革命をもたらし、社会を大きく発展させました。今回は、車輪の歴史を古代から現代にかけて解説します。 古代初期の車輪 車輪の起源は紀元前3500年頃のメソポタミア文明にさかのぼるとされています。シュメール人が発明したと考えられており、最も初期の車輪は、固い木材を丸く削り出して作られた単純な構造でした。そして、主に移動手段ではなく、陶器の製作や物資の運搬に使用されてい

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歴史と科学 vol.17 ~ゴムの利用と発展~

ゴム ゴムは、古くから人々によって知られ、利用されてきた素材ですが、技術革新と共に進化を遂げ、その用途は広範囲に及んでいます。今回は、ゴムの起源から現代に至るまでの詳細な歴史を解説します。 起源と早期の使用 天然ゴムの歴史は、紀元前から始まります。メソアメリカ、特に現在のメキシコ周辺では、オルメカ文明(紀元前1200年~400年)において、天然ゴムが最初に利用されたと考えられています。この地域で栽培されていたヘベア・ブラジリエンシス(Hevea brasiliensis

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歴史と科学 vol.16 めっき

めっきは金属の腐食を防ぎ、外観を美しくする効果もあります。 そして、その対象は金属だけではありません。 めっきとは? 金属や非金属の表面に金属の薄い膜を被覆することで、装飾や防蝕、機能性などを向上させる技術のことです。 そんな「めっき」の歴史はとても古く、紀元前1500年頃にはアッシリアで錫(すず)めっきが行われていたとの記録があります。 錆を防止するために行われたと考えられています。

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バイオミメティクス

バイオミメティクスとは、生物模倣 or 生物模倣技術のことです。 その名の通り、生物の様々な特徴を研究し、科学技術で同じ機能を実現するものです。 バイオミメティクスの研究はとても面白く、自然界への興味も深まります。 例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチが鳥が飛ぶメカニズムを研究した例が挙げられます。 他には、蚊を模倣した痛みのない注射針などがあります(これは早く実用化してほしいですね…)。 そして、植物の機能を模倣したものもあります。

¥200〜
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量子技術とは?

先週、有料エリア内でお話しした通り、今回は量子技術についてお話します。 そもそも、量子とは何の事でしょうね? そう言えば、2023年のノーベル化学賞は量子ドットの開発でした。 文科省にある説明の通りで、量子はとてつもなく小さく、そして特殊な性質を持っています。

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科学技術と学び

テクノロジー(科学技術)の発展によって社会も発展してきました。 一方で、テクノロジーの導入が遅れている国は、導入が進んている国よりも遅れ、科学技術は衰退していきます。 テクノロジーを導入し、活かしていくには学ぶ必要があります。一人ひとりが学んでテクノロジーを活用する国と、旧態依然の国では大きな差が生まれます(科学技術はもちろん、経済や社会システムなど、あらゆる面で差が出ます)。 以上のことは歴史や今の世界を見れば分かることです。 日本はどうでしょうか?

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天然ゴムの謎

天然ゴムはいつから使われているのか、正確な時期は分かっていません。 天然ゴムがヨーロッパに伝わったのは15世紀ですが、工業的に使われるようになったのは18世紀になってからです。 以降、天然ゴムは現代まで広く使われています。 主に自動車などのタイヤ・チューブに使用され、他に粘着剤などに使われています。 合成ゴムが普及した後も消費量は増え続けているんです。 それだけ長く広く使われているのには理由があります。 今回は、天然ゴムの構造と性質について、最新の研究内容を交えて解説します

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歴史と科学 vol.14 ~エアバッグの開発~

主に自動車に搭載されているエアバッグ。 エアバッグは、人がエアバッグに衝突する運動エネルギーを空気の運動エネルギーに変換することで衝撃を吸収します。 *エアバッグはシートベルトを着用しないと効果を発揮しません。 必ずシートベルトを着用して下さい。 今回は、エアバッグ開発の歴史を簡単にご紹介します。 エアバッグの考案最初のエアバッグに相当するアイデアは、1919年にアメリカで出された特許だとされています。 ただ、最初のエアバッグの特許とされているのは、1952年にアメリカで出

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科学技術の衰退する日本の課題を考える

日本が衰退しているのは誰の目にも明らかです。 それは、科学技術も例外ではありません。 もし、まだ日本は世界の最先端を行っていると思っているなら、認識を改めた方が良いです。 これから先、どうなっていくのか、どうすれば良いのか、真面目に考えます。 *後半はポジティブな内容です。 どんどん安くなる日本日本は30年以上、相対的な物価が下がり、給料も下がり続けています。 海外旅行によく行かれる方は、それを痛感しているはずです。 アメリカやドイツ、フランスなどの大卒初年度の年収は500

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初期の宇宙に存在した分子は?

宇宙が誕生した後、様々な原子が生成し、そこから分子ができたと考えられています。 しかし、どんな分子がどの程度存在したのかなど、不明な点が多いんです。 今回は、そのヒントとなる研究成果をご紹介します。

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歴史と科学 Vol.9 ~ガラスの歩んできた道①~

古くから使わている材料、ガラス。 いつから作られ、どんなものに使われてきたのか。 その用途や製法を中心に、ガラスの歴史を紐解きます。 今回は石器時代から古代にかけての、ガラスの歴史について解説します。 *思ったより長くなったので、二回に分けることにしました。 ガラスのはじまりガラスのはじまりは紀元前5千年~紀元前4千年のメソポタミアと考えられています。この頃のメソポタミアの遺跡からガラス玉が発見されています。 しかし、これはエジプトのガラス製品のコピーではないかとも言われて

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アルマ望遠鏡の挑戦

アルマ望遠鏡と宇宙観測 アルマ望遠鏡は、南米チリの標高5,000mの地にある巨大な望遠鏡です。 2011年に観測開始したこの望遠鏡は、日本を含む22の国と地域が協力して運用しています。 アルマ望遠鏡は、一つではありません。 なんと、66台の巨大なアンテナがあり、それを一つの巨大な望遠鏡のように機能させているんです。 そのため、直径16kmのアンテナと同等以上の解像度を誇ります。 宇宙を観測する望遠鏡と言えば、ハッブル宇宙望遠鏡を思い浮かべる人が多いと思います。 1990年

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歴史と科学 Vol.8 ~繊維と産業革命②~

前回は古代から産業革命までを解説しました。 今回は、産業革命以降の繊維の歴史を見ていきます。 産業革命で変わる世界産業革命によって織物は大量生産されるようになりました。 工場制機械工業は世界中に広まり、人々の生活も大きく変化します。 自宅から工場に働きに行き、仕事が終わると帰宅するという光景が定着します。 最初は労働時間の制約がありませんでしたが、次第に時間や安全に対する規約を定める企業が出てきます。 そして、従業員の権利を尊重し、働きやすさに力を入れた企業が伸びていきまし

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化学ニュースピックアップ Vol.13 ~脳の疲労回復~

脳は睡眠中にリフレッシュしていると考えられています。 しかし、その具体的なメカニズムは不明です。 今回は、そのメカニズムの一端を明かした研究をご紹介します。

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