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曇りガラス(くもりガラス)は、光を拡散させる効果を持つガラスで、プライバシーの保護や装飾目的で広く使用されています。 そして、化学実験に欠かせないものです。磨りガラス(すりガラス)の栓が無ければ成り立たない分野もあります。 今回は、そんな曇りガラスの歴史について解説します。 ※曇りガラスは不透明なガラスの総称で、曇りガラスには磨りガラスやフロストガラス、型板ガラスなどがあります。 曇りガラスの起源と発展ガラスの発明: 紀元前3000年頃の古代メソポタミアやエジプトで最初の
ガラスは古くから世界中で使われている馴染み深い材料ですが、 実はよくわからない事の多い材料です。 ガラスの構造と性質について、多くの研究者の努力のおかげで基本的な理解は進んでいますが、いまだに解明されていない事もあります。 その未解明の課題について、解説します。 1.ガラスの「ガラス転移」のメカニズム ガラスの形成過程で、液体が冷却されていくとある温度で突然流動性を失い、固体のように振る舞う状態(ガラス状態)に遷移します。これを「ガラス転移」といいます。しかし、この転移の
車輪は人類の文明発展において、最も重要な発明の一つです。車輪の発明と進化は、人類の移動手段、運搬方法、工業技術に革命をもたらし、社会を大きく発展させました。今回は、車輪の歴史を古代から現代にかけて解説します。 古代初期の車輪 車輪の起源は紀元前3500年頃のメソポタミア文明にさかのぼるとされています。シュメール人が発明したと考えられており、最も初期の車輪は、固い木材を丸く削り出して作られた単純な構造でした。そして、主に移動手段ではなく、陶器の製作や物資の運搬に使用されてい
ゴム ゴムは、古くから人々によって知られ、利用されてきた素材ですが、技術革新と共に進化を遂げ、その用途は広範囲に及んでいます。今回は、ゴムの起源から現代に至るまでの詳細な歴史を解説します。 起源と早期の使用 天然ゴムの歴史は、紀元前から始まります。メソアメリカ、特に現在のメキシコ周辺では、オルメカ文明(紀元前1200年~400年)において、天然ゴムが最初に利用されたと考えられています。この地域で栽培されていたヘベア・ブラジリエンシス(Hevea brasiliensis
めっきは金属の腐食を防ぎ、外観を美しくする効果もあります。 そして、その対象は金属だけではありません。 めっきとは? 金属や非金属の表面に金属の薄い膜を被覆することで、装飾や防蝕、機能性などを向上させる技術のことです。 そんな「めっき」の歴史はとても古く、紀元前1500年頃にはアッシリアで錫(すず)めっきが行われていたとの記録があります。 錆を防止するために行われたと考えられています。
バイオミメティクスとは、生物模倣 or 生物模倣技術のことです。 その名の通り、生物の様々な特徴を研究し、科学技術で同じ機能を実現するものです。 バイオミメティクスの研究はとても面白く、自然界への興味も深まります。 例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチが鳥が飛ぶメカニズムを研究した例が挙げられます。 他には、蚊を模倣した痛みのない注射針などがあります(これは早く実用化してほしいですね…)。 そして、植物の機能を模倣したものもあります。
先週、有料エリア内でお話しした通り、今回は量子技術についてお話します。 そもそも、量子とは何の事でしょうね? そう言えば、2023年のノーベル化学賞は量子ドットの開発でした。 文科省にある説明の通りで、量子はとてつもなく小さく、そして特殊な性質を持っています。
テクノロジー(科学技術)の発展によって社会も発展してきました。 一方で、テクノロジーの導入が遅れている国は、導入が進んている国よりも遅れ、科学技術は衰退していきます。 テクノロジーを導入し、活かしていくには学ぶ必要があります。一人ひとりが学んでテクノロジーを活用する国と、旧態依然の国では大きな差が生まれます(科学技術はもちろん、経済や社会システムなど、あらゆる面で差が出ます)。 以上のことは歴史や今の世界を見れば分かることです。 日本はどうでしょうか?
天然ゴムはいつから使われているのか、正確な時期は分かっていません。 天然ゴムがヨーロッパに伝わったのは15世紀ですが、工業的に使われるようになったのは18世紀になってからです。 以降、天然ゴムは現代まで広く使われています。 主に自動車などのタイヤ・チューブに使用され、他に粘着剤などに使われています。 合成ゴムが普及した後も消費量は増え続けているんです。 それだけ長く広く使われているのには理由があります。 今回は、天然ゴムの構造と性質について、最新の研究内容を交えて解説します
主に自動車に搭載されているエアバッグ。 エアバッグは、人がエアバッグに衝突する運動エネルギーを空気の運動エネルギーに変換することで衝撃を吸収します。 *エアバッグはシートベルトを着用しないと効果を発揮しません。 必ずシートベルトを着用して下さい。 今回は、エアバッグ開発の歴史を簡単にご紹介します。 エアバッグの考案最初のエアバッグに相当するアイデアは、1919年にアメリカで出された特許だとされています。 ただ、最初のエアバッグの特許とされているのは、1952年にアメリカで出
日本が衰退しているのは誰の目にも明らかです。 それは、科学技術も例外ではありません。 もし、まだ日本は世界の最先端を行っていると思っているなら、認識を改めた方が良いです。 これから先、どうなっていくのか、どうすれば良いのか、真面目に考えます。 *後半はポジティブな内容です。 どんどん安くなる日本日本は30年以上、相対的な物価が下がり、給料も下がり続けています。 海外旅行によく行かれる方は、それを痛感しているはずです。 アメリカやドイツ、フランスなどの大卒初年度の年収は500
宇宙が誕生した後、様々な原子が生成し、そこから分子ができたと考えられています。 しかし、どんな分子がどの程度存在したのかなど、不明な点が多いんです。 今回は、そのヒントとなる研究成果をご紹介します。
古くから使わている材料、ガラス。 いつから作られ、どんなものに使われてきたのか。 その用途や製法を中心に、ガラスの歴史を紐解きます。 今回は石器時代から古代にかけての、ガラスの歴史について解説します。 *思ったより長くなったので、二回に分けることにしました。 ガラスのはじまりガラスのはじまりは紀元前5千年~紀元前4千年のメソポタミアと考えられています。この頃のメソポタミアの遺跡からガラス玉が発見されています。 しかし、これはエジプトのガラス製品のコピーではないかとも言われて
アルマ望遠鏡と宇宙観測 アルマ望遠鏡は、南米チリの標高5,000mの地にある巨大な望遠鏡です。 2011年に観測開始したこの望遠鏡は、日本を含む22の国と地域が協力して運用しています。 アルマ望遠鏡は、一つではありません。 なんと、66台の巨大なアンテナがあり、それを一つの巨大な望遠鏡のように機能させているんです。 そのため、直径16kmのアンテナと同等以上の解像度を誇ります。 宇宙を観測する望遠鏡と言えば、ハッブル宇宙望遠鏡を思い浮かべる人が多いと思います。 1990年