シェア
温度応答性ゲルの研究を趣味で始めた頃、頭の中に2つのプランがありました。 1つは、よく知られている温度応答性の高分子を使うこと。 もう一つは、複数の材料を組み合わせる事です。 最初に試したのは、よく知られている温度応答性高分子です。 ただ、何をやっても上手くいきません。 結局諦め、複数材料の組み合わせを試しました。 そして、それも上手く行かずに数年が経過し…
僕は化学メーカーに勤めながら、自宅でゲルの研究を15年続けています。 複数の研究テーマを同時に進め、発見したことを毎年学会で発表しています。 実験や学会発表の準備は仕事から帰宅後、土日・祝日にやっています。 「どうしたら続けられるの?」 とよく聞かれるので、僕が実践しているノウハウをお伝えします。 これからお話する方法は、特別なことは何もありません。誰もが今日から実践出来ます。 ①面倒、大変というイメージを持たない 何言ってるんだ、と思われたかもしれません。 でも、これが続
ガラスは古くから世界中で使われている馴染み深い材料ですが、 実はよくわからない事の多い材料です。 ガラスの構造と性質について、多くの研究者の努力のおかげで基本的な理解は進んでいますが、いまだに解明されていない事もあります。 その未解明の課題について、解説します。 1.ガラスの「ガラス転移」のメカニズム ガラスの形成過程で、液体が冷却されていくとある温度で突然流動性を失い、固体のように振る舞う状態(ガラス状態)に遷移します。これを「ガラス転移」といいます。しかし、この転移の
ゲルロボット実現に向け、色々な事を考えています。 どんなふうにしたら良いのか、形や動き、作製方法を考えながら実験しています。
ゲルロボットに使える温度応答性ゲルの作製には成功しました。 そのゲルを使い、先月から色々とチャレンジしています。 今回は、ゲルロボットのタイプ3をご紹介します。 タイプ1,2はこのnote内で以前ご紹介したものです。はっきり言って、微妙でしたw 1,2とは比較にならないほどよく動きます。
自分が進化しているか、やっていることが前に進んでいるか、過去と比較するとよく分かります。 自分の研究の場合、過去の学会発表資料とその生データを現在と比較します。 停滞していると思っていても、少しずつ前に進んでいることもあります。 もちろん、一番大切なのは現在地の確認です。目標・目的から見てどうなのか? 今のやり方で良いのか定期的に検証する必要があります。
20年以上続けている、温めると収縮するゲルの研究(温度応答性ゲル)。遂に目的の地点にたどり着きました。 そして、これは通過点でもあります。 さらにその先を目指します。 このゲルでやりたい事、検討すべきことがまだ沢山あります。
研究をやるなら、成果を出したいですよね。 それが自分の理想通りなら最高です。 理想通りでなくても、画期的な成果が出れば大きな達成感を得られます。 未知の事に挑戦しているので、実験する毎に発見があります。 ただ、殆ど変化が無い状況が続いた場合、見直しも必要になります。
近い将来、ゲルはこうやって作るようになるかもしれない、そんな事を最近感じました。
当たり前ですけど、何もやらなければ何も得られません。 考えるのも大切ですが、実行に移さないと何も分かりません。
バイオミメティクスとは、生物模倣 or 生物模倣技術のことです。 その名の通り、生物の様々な特徴を研究し、科学技術で同じ機能を実現するものです。 バイオミメティクスの研究はとても面白く、自然界への興味も深まります。 例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチが鳥が飛ぶメカニズムを研究した例が挙げられます。 他には、蚊を模倣した痛みのない注射針などがあります(これは早く実用化してほしいですね…)。 そして、植物の機能を模倣したものもあります。
ゲルの重量はゲルが含んでいる液体に大きく左右されます。 というのも、多くのゲルはその7割以上が液体だからです。 水を含むハイドロゲルの重さは、ほぼ水の重さと言っても過言ではありません。
研究が進まないと、何が原因なのかを考えます。 単に考えても駄目で、今回の方法と結果を過去のものと比べ、異なる部分を見つけたり、目標とそこに到達するための手法を再確認したりします。
今や広く浸透したフッ素樹脂やフッ素樹脂加工。 特にフライパンへのコーティングはよく知られていますよね。 テフロンコーティングとも言いますが、テフロンは開発したデュポン社(現在はケマーズ社)の登録商標です。 厳密に言うと、テフロンはフッ素樹脂の一種であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のことです。デュポン社の打ち出したテフロンコーティング(あるいはテフロン加工)が広く浸透し、フッ素樹脂=テフロンの認識になりました。 フッ素樹脂加工を施したフライパンは表面の滑りがとても良く