マガジンのカバー画像

Gelate 研究ノート

趣味のゲル研究や化学のニュース・興味深い研究について、一歩踏み込んだ内容の記事をお届けします。基本は以下の3本です。 〇化学に関するニュース解説 〇連載:科学と歴史(不定期) 〇…
月に3本以上(最低3本)、化学と個人研究に関する月額マガジン専用記事を投稿します。 〇化学に関する…
¥400 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2024年12月の記事一覧

研究レポート 2024.12 〜最初のプランと今後のプラン〜

温度応答性ゲルの研究を趣味で始めた頃、頭の中に2つのプランがありました。 1つは、よく知られている温度応答性の高分子を使うこと。 もう一つは、複数の材料を組み合わせる事です。 最初に試したのは、よく知られている温度応答性高分子です。 ただ、何をやっても上手くいきません。 結局諦め、複数材料の組み合わせを試しました。 そして、それも上手く行かずに数年が経過し…

¥300

温度応答性ゲルの用途を考える2

今回は、温度センサーとしての温度応答性ゲルの用途について考えてみます。 まず、センサーについて考えます。 センサーとは、物理的な量(温度、圧力、光など)や化学的な量(ガス濃度、pHなど)を検出し、それを電気信号などの別の形式に変換するデバイスです。 センサーは、 人が直接感知できないような微細な変化や、危険な環境下での情報を感知することによく使われます。 一般的に、センサーは次の要素から構成されます。 * 感知要素: 物理量や化学量を直接感知する部分。 * 変換要素: 感

¥300

温度応答ゲルの用途を考える①

実用化例の乏しい温度応答性ゲルですが、 自分の研究している温度応答性ゲルが何に使えるのか、考えてみました。 ある特定の温度を境に、色や大きさなどが変わる温度応答性ゲル。 かつて盛んに研究されていたのが人工筋肉です。 水温が変化するとゲルが収縮する様子は見ているだけでも面白いです。 人工筋肉と言っても、ゲルは密度が低く柔らかいため、大きなパワーを出せません。応答速度も遅く、ゆっくり動きます。 多くの研究者が強く・速くを目指しました。

¥300

深海の熱水噴出孔(ねっすいふんしゅつこう)

深海の熱水噴出口(hydrothermal vent)は、海底でプレートの裂け目や火山活動の影響で高温の水が噴き出している場所です。主にプレートの境界付近や海底山脈に見られます。熱水噴出口は科学的にも非常に興味深い環境で、生命の起源や極限環境での生命の適応についての研究対象となっています。 熱水噴出口の仕組み 1.発生メカニズム: 海水が地殻の隙間を通って地下深くに浸透。 地下のマグマによって加熱され、温度が300〜400°Cに達する。 高温高圧下の海水は岩石中の金属や鉱

¥300