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Gelate 研究ノート

趣味のゲル研究や化学のニュース・興味深い研究について、一歩踏み込んだ内容の記事をお届けします。基本は以下の3本です。 〇化学に関するニュース解説 〇連載:科学と歴史(不定期) 〇…
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2022年3月の記事一覧

構造色インクとは?

構造色は色素を使いません。 色素は、光を吸収することで発色します。 そして、私たちが見ている色は、吸収されずに反射された光の色です。 全ての波長の光を色素が吸収した場合、真っ黒になります。 では、構造色はどうやって発色しているのか? その名の通り、微細な構造が光を反射することで発色しています。 反射された光の波長によって、見える色が変わります。 代表的なのがタマムシのはねとシャボン玉です。 仕組みは違いますが、どちらも微細な構造によって複雑な色を実現しています。 見る角度で

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歴史と科学Vol.13 ~ビタミンの発見②~

前回に引き続き、ビタミンの発見についてお話しします。 今回は、発見にまつわるエピソードをいくつかピックアップし、詳しくご紹介します。 ビタミンと糠(ぬか)かつて大流行したビタミン欠乏症の一つ、脚気(かっけ)。 日本では毎年1万人以上が亡くなっていました。 そのため、明治・大正の頃は結核と同じくらい恐れられた疾患でした。 治療・予防のために様々な試みがされましたが、脚気の原因ははっきりとせず、死者が大きく減少したのは第二次大戦後のことでした。 日本は特に脚気に悩まされた国の一

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血液の交換で若返る?!

清の末期に実権を握っていた西太后は若さを保つため、若い女性の血を飲んでいたと言われています。 また、16世紀のハンガリーの貴族、バートリ・エルジェーベトは、若い女性の血を浴びて肌を若く保とうとしたという逸話が残されています(真実は不明)。 そのため、吸血鬼伝説のモデルにもなっています。 ちなみに、若い人の血を取り入れたからといって、若返るわけではありません。科学的証拠は現時点でありません。 そんな怪しげな言説を信じず、バランスの良い食事(食べすぎ厳禁)と、毎日適度な運動をす

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春に咲く花

もう春ですね。 春に咲く花は多種多様です。 サクラやタンポポなどは真っ先に思い浮かぶ花の一つです。 そして、春に咲く花は黄色が多いと言われています。 日本のみならず、他の国でもそういう意見があるようです。 ただし、具体的な調査結果はありません。 あくまで黄色が多く感じるという話があるだけです。 例えば… ・タンポポ ・菜の花 ・水仙 ・ミモザ(フサアカシア) ・レンギョウ ・山吹 ・フクジュソウ ・黄梅 ・フリージア ・チューリップ ・パンジー チューリップやパンジー、

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ゲルと生命の謎④ ~体内の化学反応を司る、酵素のメカニズム~

生物の体内では常に化学反応が起きています。 代表的なのは、タンパク質の合成ですね。 しかし、材料となるアミノ酸だけでは合成できません。 媒体となる水はもちろん必要ですが、他にも必要なものがあります。 それが酵素です。 酵素は、化学反応の触媒として働きます。 触媒とは、それそのものは変化せず、化学反応の方向を決める物質のことです。 以下の図のように、反応に必要なエネルギーを下げ、化学反応を促進します。 目の前に大きな山があると、登るのに大きなエネルギーを必要とし、簡単には登れ

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