元OLアイス屋開業奔走記①遠回り試作編
2022年5月の京都旅行中、とあるカフェにて、アイス屋さんに可能性を感じて、ジェラートの作り方の本をAmazonで数冊買い、その足で近くにあったジェラート屋さんに行きました。
開業のいきさつはこちら↓
家に帰ってすぐにマシンを使わないジェラート作りを始め、その2週間後には数万円するジェラートマシンを買いました。
ちなみに、2024年2月には数十万円するマシンを買い、8月には数百万円するマシンを買うことになります。
会社員であったわたしは、会社にいながらできることとして、①試作②現地調査という名の食べ歩き、の2つを1年続けました。
試作をはじめた
「毎日食べたいジェラート」を目標に、作っては食べ、食べては作って、作っては食べ、食べては作って、ABテストを繰り返しました。
300店舗以上の食べ歩きは、自分の理想のジェラートを追求する材料になりました。
試作と食べ歩きを重ねて、すっかり舌と鼻が玄人ヅラをするようになったので、恋人や家族友人にも食べてもらって、意見を聞きながら調整をしてきました。
現在お世話になっているジェラート屋さんのマシンを使わせていただいたこともありますが
その数百万円する業務用マシンを使うと、1度に3Lくらいアイスができてしまって、ABテストをするにももったいなさすぎるので、やめました。
高校化学とイタリア語と国会図書館と
ジェラートは、素材を冷やしながら混ぜ合わせて作ります。固形分と水分と空気の割合、それと、固形分のうち糖や脂肪分などの割合によってボディが決まります。数字、化学。スプレッドシートとたくさん睨めっこしなきゃあなりません。
トライさんのWebコンテンツで、mol数とか、二重結合とか、凝固点降下とかを勉強しました。勉強したい人にとっては、大変恵まれた時代で助かりました。
ジェラートの専門書はイタリアのものばかりなので、数冊はイタリアで直接入手し、日本から取り寄せができるものは取り寄せました。
イタリア語は、イタリア攻略ちゃんねるさんのYouTube動画で基礎を学び、東外大言語モジュールで復習して、CROWNの紙辞書で語彙を増やし、DeepLを駆使してなんとなく読めるようになりました。どれも時代に感謝です。
日本語の専門誌は、国会図書館で読みました。品種改良の歴史だったり、最新の添加剤だったり、玄人的な文献がたくさんあるものです。
試作に2年以上かけている、けど
わたしは、開業準備を遠回りしています。ジェラートの機器メーカーのセミナーを2日間受けて、そこでもらったレシピだけで開業するお店だって少なくありません。レシピがあれば、わざわざmol数を考えてアイスを作る必要なんてありません。イタリア語だって、生成AIが進化するこの時代、読めなくたって良いじゃないですか。
でも、こんなにワクワクできることって、たぶん人生であまりないですから。さまざまな果物の旬とともに、すこしくらい遠回りしてみてもいいんじゃないでしょうか。
Abemaの2016年入社の新卒社員向けに、藤田さんがお話した言葉を自信に変えて。
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